クラフトリリース
2026.3.11

ASMRで再注目、梨の爽やかな甘みが香る鳥取銘菓「二十世紀」

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突然ですが、皆様「ASMR」をご存じでしょうか。Autonomous Sensory Meridian Responseの略称で、音や映像によって心地よいと感じる現象や、それを目的としたコンテンツを指します。波の音や焚火の映像・音など、人によってリラックス効果を感じるものはさまざまですが、その中でもとりわけ人気なのが「咀嚼音」。「サクサク」や「ガリガリ」など、食べ物を咀嚼する時の音を楽しむ方は意外と多いようです。

今回は、そんなASMR動画によって、人気が再燃した老舗和菓子店のお菓子「二十世紀」をご紹介します。

鳥取の老舗・亀甲やとは

「二十世紀」はその名が表す通り、二十世紀梨をモチーフとしたお菓子です。

作っているのは鳥取を代表する老舗和菓子屋「亀甲(きっこう)や」。今から150年以上も前の1868年(慶応4年)5月、江戸から明治へと時代が移り変わる転換期に産声を上げました。

もともとは岡山県の亀甲(かめのこう)という地で染物屋を営んでいたという同社ですが、鳥取への移住後に亀甲形の種であんを挟んだ「亀甲もなか」を販売したのが和菓子屋としての始まりだそうです。

銘菓「二十世紀」 誕生秘話

そして今回取り上げる「二十世紀」が発売されたのは1922年(大正11年)。

鳥取県の名産品として当時から親しまれていた二十世紀梨ですが、ただでさえ栽培が難しい上に、ナシ黒斑病が大流行して、梨栽培が危機的な状況に陥ってしまったのです。そんな梨の生産者を応援するために作られたのがこちらの商品なのだそう。本物の二十世紀梨は食べられずとも、お菓子を通じてそのおいしさを全国に広められたら――そんな想いが込められていたといいます。

実食レビュー 香り・食感・味わい

二十世紀のパッケージと箱を開けて個包装の商品が見える画像

包装紙は小豆色に白抜きで屋号が記されたシンプルなもの。お店の暖簾と同じ風合いです。包装を解いて中から出てきたパッケージには二十世紀梨と鳥取を代表する名山、大山(だいせん)の悠然とした姿が描かれています。
箱を開くと一つひとつ個包装された銘菓がお目見え。早速封を開けてみましょう。

黒い皿に個包装から出した二十世紀を置いた画像

封を開けた瞬間に広がるのは梨の瑞々しい香り。控えめながらも存在感はしっかりと感じます。
そっと手に取ると、ざらりとした細かな砂糖を纏っているのがよくわかる手触り。柔らかくはありませんが、手でぐにゃりと曲げられるぐらいの硬さです。

お皿にのせてみると、まん丸ではなく少し歪さを感じる丸型なのがわかります。中央にはこれまた少し中心を外す形で不揃いに並ぶ5つの穴。この歪さが、梨を輪切りにした形に何ともそっくりで、一見すると本物の梨を蜜漬けにしたようです。しかし、その正体は水飴と砂糖、寒天なのだそう。驚くことに梨の果肉や果汁は使われていないといいます。

ますますお味が気になってきました。さて一噛みしてみましょう。
ねっちりとした歯ごたえと共に濃厚な甘みが口の中いっぱいに広がります。お味は砂糖由来の甘みもしっかりと感じますが、梨やリンゴの果実感もあり爽やかな甘さ。口の中に嫌な甘さが残ることはなく、後味はスッキリとしています。

水飴をぎゅっと固めたような不思議な食感は唯一無二で、「○○っぽい」という例えが見つかりません。それなのに、幼少期に食べたことがあるような、そんな懐かしさも感じます。そのムチムチとした食感は、噛み続ける楽しさもあり、長年愛されているというのも納得です。

見た目が梨の輪切りそっくりなので、てっきり梨の果肉や果汁が入ったお菓子と勘違いしてしまいますが、香料のみで果汁などは不使用。それでも梨の爽やかな風味はしっかり感じますし、何よりアレルギーのある方も安心して食べられる、というのも魅力です。「二十世紀」は一度食べると癖になる、味も食感も楽しめる伝統のお菓子でした。

残念ながら、本記事では話題の咀嚼音がお届けできませんが、私のつたない文字情報でイメージの湧きにくい方は、ぜひ一度食べてみることをお勧めします!

冷凍で味わう「二十世紀」

そしてもう一つ、同封のリーフレットに「冷凍してもおいしく食べられます。」の文字を発見したからには、試さないわけにはいきません。
冷凍庫で一日冷やしたものも食べ比べてみました。

冷凍庫から出した直後にいきなりかじりついてしまったので、歯が立たないほど硬くてびっくり。しかしそれは外表のみだったようで、ぐっと噛むと中は常温で食べた時以上にねっとり濃厚になっていて二度びっくり。てっきり硬い飴状になるか、シャリシャリの食感に変わることを想像していたので、冷凍したことで水飴感が増して糸引く食感に変化するなんて、思いもしませんでした。外側がヒンヤリしているので、暑い季節にはよりおいしく食べられそうです。

もちろん味は変わらずしっかり濃厚な甘み。ただ、封を開けた直後の甘酸っぱい梨の香りがかなり控えめとなってしまったので、個人的には少しもったいない気もしました。

鳥取銘菓を味わうなら「二十世紀」

二十世紀梨を守りたいという想いから生まれ、100年を超えて愛され続けてきた銘菓「二十世紀」。素朴でありながら唯一無二の食感は、一度口にすると忘れられません。ASMRという新しい文化の波に乗って再び脚光を浴びた今だからこそ、あらためてその背景にある物語や職人の手仕事に思いを馳せながら味わいたくなるお菓子でした。

鳥取旅行のお土産としてはもちろん、自宅で楽しむスイーツとしてもおすすめ。気になった方は、ぜひ「二十世紀」をお取り寄せして、その奥深い味わいを体験してみてはいかがでしょうか。

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もっと知りたいあなたへ

一般社団法人鳥取市観光コンベンション協会 「とっとり市」 亀甲や
https://www.tottori-ichi.jp/view/category/T0044

本記事は筆者の見解・体験に基づくものであり、一部一般的な情報や公開資料を参考にしています。

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