愛媛県の土産といえば「みかん」や「坊っちゃん団子」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、地元の人々や愛媛通の間で、圧倒的な支持を得ている「伝説のスイーツ」が存在します。それが、「ハタダ栗タルト」でおなじみのハタダが手がける「どら一(いち)塩バター」です。
一見するとシンプルな「あんバターどら焼き」。しかし、一度口にすれば、これまでの常識を覆すほどの調和に驚かされるはずです。実際KURAFT編集部のスタッフも、運営会社の本社・愛媛からのお土産として受け取り、その「悪魔的なおいしさ」に衝撃を受けた1人。
なぜ「どら一塩バター」がこれほどまでに愛されるのか?一見、どこにでもある「あんバター」の組み合わせ。しかし、そこには老舗の意地と計算し尽くされた調和が隠されているのです。こだわり抜かれた素材、塩味の黄金比、そして「10月〜5月限定」という希少性まで、徹底レビューします。
愛媛が生んだ「どら焼き界の革命児」
ハタダといえば、1933年(昭和8年)の創業以来、四国の菓子文化を支え続けてきた老舗です。1975年(昭和50年)に発売され、今や四国を代表する銘菓となった「ハタダ栗タルト」をはじめ、数々のヒット作を世に送り出してきました。その伝統ある菓子舗が、2015年(平成27年)に満を持して発売したのがこの「どら一(いち)」です。
開発の背景には、昭和の時代に愛された「あんバターどら焼き」の味を、現代最高の素材と技術で再現したいという熱い想いがありました。発売直後からそのクオリティの高さが口コミで広がり、現在ではハタダの人気商品の1つとして、まさに「どら焼き界の革命児」とも呼べるヒット商品となっています。
素材の三位一体。伯方の塩が引き出す「黄金比」

「どら一塩バター」がこれほどまでに人々を惹きつける最大の理由は、構成する「生地」「あん」「バタークリーム」の三位一体となった完璧なバランスにあり、そこには妥協のない素材選びがあります。
まず特筆すべきは、その「生地」の食感です。どら焼きの命ともいえる皮は、しっとりと吸い付くようなキメの細かさと、口の中でスッと溶けるような軽やかさを併せ持っています。パサつきが一切なく、中の具材を優しく包み込む包容力があります。
次に「つぶあん」です。厳選された小豆を、熟練の職人がその日の気温や湿度に合わせて炊き上げます。甘すぎず、小豆本来の風味がしっかりと感じられる仕上がりは、さすが老舗の風格。しかし、ここまでは「おいしいどら焼き」の条件。ここからが「どら一」の本領発揮です。
味の決め手となるのが、ホイップされた「塩バタークリーム」です。ここで使われているのが、愛媛県が誇る名産品「伯方の塩」。この塩がバターのコクを引き立て、あんこの甘さをキリッと引き締める役割を果たしています。
甘い、しょっぱい、そしてバターの芳醇な香り。このループが一口ごとに押し寄せ、脳に直接「おいしい」という信号を送り続けます。ただ甘いだけのお菓子とは一線を画す、大人のための黄金比がここに完成しているのです。
実食。五感で楽しむ「どら一(いち)塩バター」
それでは、実際に手にとった時の感覚をお伝えしましょう。
パッケージを開けた瞬間、まず驚くのはその香ばしい香りです。どら焼き特有の、蜂蜜や醤油を隠し味に使ったような焼き色の香りが鼻をくすぐります。手に取ると、ずっしりとした重みがあり、中身が詰まっていることを予感させます。
一口頬張ると、まず生地のふんわりとした柔らかさが唇に触れます。続いて、中心部へたどり着くと、なめらかなバタークリームと粒立ちの良いあんこが混ざり合い、口の中でとろけていきます。ここで「伯方の塩」の魔法が発動します。バタークリームの中に、ほんのりとした塩味の粒感を感じる瞬間があり、それが甘さをリセットしてくれるのです。この「甘味と塩味のコントラスト」こそが、一度食べたら止まらなくなる中毒性の正体。気づけば1つ、また1つと手が伸びてしまう。悪魔的なおいしいから逃れられなくなります。
さらに、おすすめの食べ方もご紹介しましょう。 常温で食べれば、バタークリームが最も柔らかく、生地との一体感を楽しめます。一方で、冷蔵庫で少し冷やすと、バタークリームが固まり、まるでアイスサンドのようなリッチな食感に変化します。

逆に、電子レンジで20秒、その後オーブンで1分温めれば、生地はサクッとした食感に変貌を遂げ、バターはじゅわっと溶け出し、より背徳感のある味わいに。1つでいくつもの味わいを楽しめる、これこそが「どら一塩バター」の懐の深さです。
なぜ「今」しか食べられないのか? 期間限定のこだわり
これほどまでに完成度の高い「どら一塩バター」ですが、実は1年中食べられるわけではありません。毎年「10月初旬から5月中旬まで」と、秋から春にかけての期間限定販売なのです。
なぜ、これほどの人気商品を夏場に販売しないのでしょうか。その理由は、ハタダの「品質への徹底したこだわり」にあります。
「どら一塩バター」に使用されている特製の塩バタークリームは、非常に繊細です。気温が上がる夏場は、バターの鮮度や食感を最高の状態で維持することが難しくなります。「お客様に最高の状態の「どら一塩バター」を食べてほしい」という菓子舗の理念を守るため、あえて最も売れる時期(夏休みや帰省シーズン)を外してでも、品質を守る道を選んでいるのです。
この潔さが、かえってファンの熱量を高めています。5月中旬の販売終了が近づくと「食べ納め」として買い込むファンが続出し、10月の発売再開日には、愛媛県内の店舗に多くの人々が詰めかけるとか。「冬のご褒美」としての地位を確立した「どら一塩バター」。その希少性が、一口の価値をさらに高めていることは間違いありません。
お取り寄せで全国へ。愛媛の誇りをその手に

かつては愛媛県内や四国近隣でしか手に入らなかった「どら一塩バター」ですが、現在はハタダのオンラインショップを通じて、全国どこからでも取り寄せることが可能です。そして耳よりのお得情報!毎月1日と11日は「どら一の日」として、店舗、オンラインともに3個入のパックが通常価格599円のところ特別価格550円で購入出来るのです(いずれも税込・2026年5月現在)。
「どら一塩バター」は、単なるお菓子ではありません。それは、愛媛の風土が育んだ「伯方の塩」と、老舗の技術、そして「一番おいしいものを届けたい」という真摯な想いが詰まった、人をつなぐコミュニケーションツールなのです。
全国のどら焼き好き、あんこ好きの皆さん、もしまだこの「甘美な罠」に足を踏み入れていないのなら、ぜひ今シーズンのうちに試してみてください。今年(2026年)は5月15日までの販売です。今なら終売に間に合います!一口食べれば、きっとあなたも誰かに伝えたくなるはずです。
「ねえ、愛媛に最高においしいどら焼きがあるんだけど、知ってる?」と。
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もっと知りたいあなたへ
株式会社ハタダ
https://www.hatada.co.jp/
本記事は筆者の見解・体験に基づくものであり、一部一般的な情報や公開資料を参考にしています。