思い立ったが吉日、ちょっとそこまでの旅〜栃木県佐野市(前編)〜
友達の地元に単に飲みに行くという旅
筆者の友人は北関東、群馬県太田市に住んでいる。
先日はその人に教えられて知った「県道の一部が船」という、群馬県千代田町の赤岩の渡しに乗ってきた。非常に面白い体験だったので記事にしたが、今回はその友人の出身地、栃木県佐野市へ出かけてみようということになった。
なんのことはない、友人の帰省に乗っかってついて行き、佐野市に泊まってのんびりとそのホームタウンで一緒に飲みに行こうというだけの旅である。
なお、「赤岩の渡し」が気になる方はこちらからどうぞ。
佐野市といえば、おそらく多くの人は「佐野ラーメン」を思い浮かべるのではないだろうか。
そう、有名なのはラーメンなのだ。そのラーメンをモチーフにしたキャラクター「さのまる」は佐野市のキャラクターとしてそこそこの人気を誇っている。
では、ラーメン以外に佐野には何があるのかをよどみなく答えられる人は(佐野市民以外で)どの程度いるだろうか。
栃木県には、日光や那須といった有名な観光地や高原リゾートがある反面、より東京に近いエリアの市町村については、その土地のことをよく知る人は少ない印象だ。私自身は地図や地理が大好きなため、比較的知識がある方だと思うのだが、それでも「佐野市」といわれて何が出てくるかといえば、ラジオやテレビで頻繁にそのCMを耳にする「佐野厄除け大師(惣宗官寺)」あるいは、「佐野プレミアムアウトレット」といったところだろうか。
いずれも、残念ながら未踏である。
厄除けなら東京や近郊に有名なところがあり、大師といえば川崎か西新井、アウトレットは御殿場や木更津といった場所の方が行きやすいためそちらに流れてしまう。
そんな栃木県佐野市へ、ある夏の日の午後に友人の車で向かった。
佐野市とはどんなところなのか〜日本列島中心の町らしい〜

佐野市は、栃木県の南端近くにあり、群馬県桐生市や館林市、みどり市などと隣接している。
佐野市観光協会のホームページによれば、北部は自然豊かな中山間地域、南部西部は住宅や産業基盤が集積する都市的地域と農業が展開する地域となっている。つまり、南部が比較的都会という位置付けのようだ。
友人の実家エリアは、まさにその南部に属する。
彼女はしばしば車で40分ほどの距離の実家に泊まり、佐野の幼馴染たちと旧交を温めている。
今回の旅は、以前から栃木南部あたりに行ってみたいと思っていた私を、そこに混ぜてもらおうという魂胆なのだ。
話を戻して、佐野市とはどういうところなのかをさらに見てみよう。
栃木といえば前述のように、日光や那須といった観光地が思い出されるが、小学校時代に習った「足尾銅山」も栃木県なのだ。足尾は現在、公害に立ち向かった歴史を財産として、新たな観光ディスティネーションとして注目を集めている。KURAFTでも足尾について3回に渡る特集記事で紹介しているので、ぜひご一読いただきたい。
その足尾銅山の話で欠かせないのが、「田中正造」である。幕末に生まれ明治期を中心に活躍した政治家で、彼自身も被害者であった足尾鉱毒事件の解決に奔走した。彼はかつての下野国安蘇郡小中村(現・佐野市小中町)生まれで、その生涯も現在の佐野市内(旧・足利郡吾妻村下羽田)で閉じている。
つまり合併合併で大きくなった現在の佐野市ではないものの、田中正造自身は足尾の人ではなく佐野の人であったのだ。

その他に、佐野といえばラーメンとアウトレットと厄除け以外に何があるだろうか、と訪問を前に調べてみたところ、地理・地図好きにはちょっと面白いことを発見した。
佐野市は「日本列島中心の地」なのだ。
沖縄や離島を除き、①北海道最北端、②九州最南端から、それぞれ同距離となる③日本海側、④太平洋側を算出し、その2点を結んだ線の中間点が佐野市なのだそう。
佐野市中西部にあたる山林の中に、「日本列島中心の地碑」が建てられているらしい。残念ながら今回の旅では訪問は叶わなかったし、きっとこの後もわざわざ行かないような気もするが、佐野市は日本列島の中心の地なのである。ここに行けない場合、東武佐野線の田沼駅前の公園に「日本列島中心の町」という石碑と、算出方法の説明の表示があるそうだ。
マニア向けな話ではあるが、興味がある方は見に行って欲しい。
佐野のナイトライフを満喫、の前に豪雨の洗礼

そんな佐野へ何をしに行ったかといえば、地元の店の梯子酒をしに、である。
「行きつけの店への利便性」と、友人が「最近できたので泊まってみたい」という理由で、佐野駅から少し歩いたところにある「スーパーホテル佐野藤岡」に宿をとった。
今回は女性2名で1室ずつの予約だったこともあって、女性専用の部屋が用意されていた。高級美容ドライヤーやヘアアイロンが部屋に完備、マットレスや枕も快眠仕様、天然温泉大浴場あり、フェイスマスクまであるアメニティ、そして特筆すべき?は、ロビー横のオープンスペース(無料朝食が提供される、ラウンジと呼ぶらしい)が、17時から無料ウェルカムバーとなるのだ。
早めにチェックインして夜に備えて休息を取っていたわれわれだが、予約している店が18時30分からだったため時間を持て余し、いそいそと無料ラウンジバーに集合して、ハイボールやレモンサワーなどを自分で調合して0次会を始めた。
できたばかりなので、どこもかしこも新しくて手入れも行き届いており気分よく過ごせたことは記しておこう。なお特にスポンサードを受けたわけではない(各種スポンサード絶賛募集中です!)。
この日は、関東地方に前線が接近しており、さっきまで晴れて暑い日和だったのに、0次会の途中から空模様が怪しくなってきた。そしてあれよあれよという間に空が真っ暗になり、バケツをひっくり返したような豪雨となってしまった。いったいどちらが雨女なのか。
窓の外はまさに豪雨。車を停めた駐車場は、水たまり以上に水深のある一面の水浸しになってしまった。
とはいうものの、予約した店の開店時間が迫ってきたため、ホテルで真新しい傘を借り、仕方なく豪雨の外に出た、が、2歩進んで戻った。恐ろしい降りである。これがもしかして線状降水帯というやつか!などと友人と笑いつつもロビーに戻ったが、実のところこの雨で、隣接市において人的被害が出たとのちに知った。笑い事ではなかったのだ。
北関東の暑さに加え、突然の豪雨の恐ろしさを、身をもって知ろうとしていた。しかたなく気合を入れ直し再度外へ。ものの5秒で履いていたデニムの膝下はビッショリ。当然スニーカーの中まで水が染みて、その感覚に、なぜかほんのりと小学生の頃を思い出した。
それでも行くのだ。
遠雷が響く中、川のようになった道を、顔以外の場所の防御にはなっていないビニール傘をかざして黙々と歩く。道すがら誰にも会わない。そりゃこんな天気の日に、車社会の地方都市で徒歩移動などしないだろう。しかし、出てしまった以上、店に着かないと食事もできなければお酒も飲めないのである。頑張るしかないのだ。
突然の豪雨の洗礼を受けながら、佐野の夜を楽しむべく予約してくれた店へと向かうわれわれであった。
後編はこちら
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もっと知りたいあなたへ
佐野市観光協会
https://sano-kankokk.jp/
スーパーホテル佐野藤岡
https://www.superhotel.co.jp/s_hotels/sano/
本記事は筆者の見解・体験に基づくものであり、一部一般的な情報や公開資料を参考にしています。