2026.7.22
地方の『曖昧語』が実は正確説『すぐそこ』が示す車で15分という距離感
「すぐそこだから」と案内されて、徒歩5分を想像したら大間違いだ。
地方の「すぐそこ」は、車で15分前後を指すことが多い。
「コンビニ?すぐそこだよ」と言われて、実際は5km先。
「隣町?すぐそこ」と言われて、車で20分かかる。
都会の感覚では「すぐそこ=徒歩圏内」だが、地方では「すぐそこ=車ですぐ行ける範囲」を意味する。
なぜこうなるのか。
理由は移動手段の違いにある。
地方では、徒歩は「移動」としてカウントされない。
移動の基準単位が「車」なのだ。
だから「すぐそこ」の基準も、車で移動したときの感覚になる。
住民に聞くと、「すぐそこ=車で10〜20分」という認識が共通している。
逆に、車で30分を超えると「ちょっと遠い」、1時間を超えると「遠い」という評価になる。
徒歩10分の場所でも、車を使わないなら「遠い」と表現されることもある。
面白いのは、この距離感が誤差±5分程度で非常に正確なことだ。
「すぐそこ」と言われて30分かかることは、ほとんどない。
曖昧に聞こえて、実は地方全体で共有された精密な距離感覚なのである。
地方の「すぐそこ」は、地図ではなく、車の感覚で測る言葉なのだ。