2026.7.8
真面目で不真面目な地方論「地方の駐車場が、やたら広い理由」
地方のコンビニには、10台以上停められる駐車場がある。
でも客は、いつも同じ3台分くらいしか埋まらない。
ホームセンターの駐車場は、端が見えないほど広い。休日でも半分以上が空いている。
「もったいない」と思うのは、都会の発想だ。
地方では、広さは贅沢ではなく、前提なのだ。
車と車の間が狭いと、隣の人と会ったときに「狭くてすみませんねえ」と謝らなければならない。
ドアを開けたときに、隣の車にぶつけないか気を遣わなければならない。
その小さなストレスを、全員が回避するために、駐車場は広く作られている。
地方の駐車場には、物理的な距離が、心理的な安心に変換される仕組みがある。
誰かと目が合っても、気まずくならない距離。
挨拶するかしないか、ちょうど迷うくらいの距離。
この「ちょうど良い距離感」が、地方の人間関係を保っている。
広さは、贅沢ではなく、優しさのデザインなのだ。
都会では土地が資源、地方では余白が文化。
駐車場の広さに、その哲学が表れている。