2026.4.30
真面目で不真面目な地方論「地方での『ご近所さん』の定義範囲」
地方で「ご近所さん」と言うとき、その範囲は広い。
都会なら隣の部屋、せいぜい同じ階までだが、
地方の「ご近所」は、半径500メートルを軽く超える。
歩いて5分の家も、ご近所。
車で3分の家も、ご近所。
同じ集落に住んでいれば、全員ご近所だ。
そしてご近所には、義務と権利が発生する。
草刈り、溝掃除、祭りの準備。
これらは「参加した方がいい」ではなく、
「参加するもの」として、カレンダーに組み込まれている。
逆に、ご近所の範囲に入ると、助けてもらえる。
雪かきを手伝ってもらえる。
留守中に宅配便を預かってもらえる。
「ちょっと味見して」と、おかずが届く。
ご近所の境界線は、目に見えない。
でも確実に存在する。
それは「顔と名前が一致する範囲」であり、
「困ったときに声をかけられる範囲」でもある。
都会では物理的な距離、地方では関係性の距離。
ご近所の定義が、これほど違う。
そして地方では、ご近所との関係が、そのまま生活の安心に直結している。
孤独死のニュースが流れるたび、
ご近所付き合いの大切さを感じる。
ご近所は、面倒でもあり、セーフティネットでもある。
この両面を受け入れることが、地方で暮らすということだ。