クラフトリリース
2026.8.28

由布院で見つけた、かぼすの味。かぼすこしょうとかぼす醤油を実食レビュー

- SNSでシェアする -

旅先でふと手に取った調味料が、思いがけず日々の食卓を少し豊かにしてくれることがあります。
大分県・由布院を歩いていた時、お土産店でみかけるかぼすを使った多くの商品。その中でも思わず目に留まった「かぼす」を使った調味料をご紹介します。

大分土産に選びたい、かぼすこしょうとかぼす醤油

かぼすこしょうを購入した薬味屋

いくつかある大分名物の中で、思い浮かんだ「かぼす」。
料理に添えられた緑色の果実を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
そんななか、今回気になったのが「かぼすこしょう」と「かぼす醤油」です。
ゆずこしょうはよく見かけるものの、「かぼすこしょう」は初めて。さらに、かぼす醤油は普通の醤油ともポン酢とも少し違いそうで、どんな味なのだろうと興味が湧きました。

訪れたのは、由布院のまちあるきの途中に見つけた醤油専門店と薬味屋。店内には多くの調味料が並び、観光客でにぎわっています。木のぬくもりを感じる外観はどこか日本らしく、小さな瓶が整然と並ぶ様子もどこか愛らしい空間でした。
旅先では、その土地ならではの味を持ち帰りたくなるもの。今回の由布院土産は、かぼすに決めました。

なぜ大分では「かぼす」が有名なのか

そもそも、なぜ大分県ではここまでかぼすが親しまれているのでしょうか。
実は、大分県は全国でも有数のかぼすの生産地です。国内生産量の多くを占めており、古くから食文化の中に根づいてきました。
温暖な気候と昼夜の寒暖差がある大分県の気候や栽培環境は、かぼすの生産を支えているとも言えます。

大分では、焼き魚や唐揚げ、鍋料理、味噌汁にまで、かぼすを絞ることも珍しくありません。
料理に少し香りを添える存在というより、食卓の一部として定着しているのです。
そう考えると、醤油やこしょうという調味料にかぼすが使われているのも、自然な流れなのかもしれません。

「ゆず」ではなく「かぼす」だった理由

店内にてかぼすこしょうが並んでいる様子

九州土産として有名な調味料のひとつに、ゆずこしょうがあります。
唐辛子の辛みと柑橘の爽やかさが合わさった万能調味料ですが、今回出会った「かぼすこしょう」は、それとは少し異なる印象でした。
ゆずの香りがどこか華やかで輪郭がはっきりしているとすれば、かぼすはもう少し穏やかで、料理に自然となじむ香り。控えめながら、ふわりと余韻を残してくれるような存在です。

想像以上に辛い。でもクセになる「かぼすこしょう」

かぼすこしょうを瓶から出した様子

実際に瓶を開けてまず驚いたのは、その香りでした。
ふたを開けた瞬間、ふわりと広がる柑橘の香り。爽やかで、思わず深呼吸したくなるような清々しさがあります。
見た目は、ゆずこしょうにも似た鮮やかな緑色。
けれど、一口食べてみると印象は少し違い、思っていた以上にしっかり辛い。
青唐辛子の刺激が舌にピリッと広がり、あとから柑橘の爽やかさが追いかけてきます。辛さだけが前に出るのではなく、香りとのバランスが良いのが印象的でした。

口コミでも「思ったより辛め」「少量でも満足感がある」という声が見られましたが、確かに少しつけるだけで味が締まります。
おすすめしたいのは、まずはシンプルな料理。
焼き鳥、鍋料理、冷奴、うどん、豚しゃぶ、鶏肉料理などとの相性は抜群です。
特に、脂のある料理に少し添えると、辛みとかぼすの香りが全体を軽やかに整えてくれます。
個人的には、湯気の立つうどんに少し溶かした時の香りが印象的でした。鼻に抜ける爽やかさが心地よく、「ゆずこしょうとは少し違う」という意味が自然と伝わってきます。
辛い調味料というより、香りを食べる薬味。そんな表現がしっくりくる1本でした。

醤油でもポン酢でもない。「かぼす醤油」のちょうどよさ

かぼす醤油を小皿に出している様子

もうひとつ気になって購入したのが、「かぼす醤油」です。
正直なところ、最初は少し想像がつきませんでした。
醤油なのか、酸味のあるポン酢に近いのか。どんな料理に合うのか。
けれど実際に使ってみると、それはどちらかではなく、その間にある存在のように感じられました。

まず印象的だったのは、九州らしいやさしい甘みです。
一般的な濃口醤油よりも角がなく、甘さを感じる味わい。そのなかに、かぼすの爽やかな香りと酸味がふわりと重なります。
ただ、ポン酢ほど酸味が強いわけではありません。酢の要素がない分、あくまで主役は醤油。そこに、かぼすの軽やかさが加わっているような感覚です。だからこそ、不思議と万能でした。

刺身につければ、醤油より軽やかに。冷しゃぶにかければ、ポン酢よりもやさしい味わいに。
卵かけご飯や湯豆腐、焼いた鶏肉、野菜炒め、お餅などにも自然となじみます。

個人的に印象的だったのは、お刺身との組み合わせです。
魚そのものの味を邪魔せず、それでいて少しだけ香りに変化が生まれる。
「今日は少し気分を変えたい」という時に、ちょうど良い存在でした。
醤油ほど重たくなく、ポン酢ほど酸っぱくない。
その絶妙な立ち位置こそが、かぼす醤油のおもしろさなのかもしれません。

旅先の味を、少しだけ日常へ持ち帰る

旅先では、ついお菓子や雑貨をお土産に選びがちです。
けれど最近は、「家に帰ってからも楽しめるもの」に惹かれることが増えました。その土地の食文化が感じられる調味料は、そのひとつです。

今回購入したかぼすこしょうとかぼす醤油も、まさにそうでした。
うどんを食べる時、冷奴を用意した時、お刺身の日。
ふと冷蔵庫から取り出すたびに、由布院で歩いた街並みや、お店に並ぶ小瓶の景色を思い出します。
大分といえば、かぼす。
そう思って選んだ調味料でしたが、実際に使ってみると、それは単なる名産品ではありませんでした。

土地の気候や食文化、人の暮らしのなかで育まれてきた味。
だからこそ、少し特別に感じるのかもしれません。
由布院を訪れたら、ぜひ一度手に取ってみてほしい、旅の余韻を、家の食卓でも少しだけ味わえるお土産です。

―――
もっと知りたいあなたへ

湯布院 醤油屋本店
https://yufuinshoyuya.com

本記事は筆者の見解・体験に基づくものであり、一部一般的な情報や公開資料を参考にしています。

- SNSでシェアする -