クラフトリリース
2026.8.19

大学を4休1留した私が、就労移行支援事業所を利用してプログラマとして就職できた話(後編)

- SNSでシェアする -

就職後は

プログラミング画面

就職後はプログラマとして、Webブラウザで動作するシステムの開発に携わることとなった。システム内で表示する画面や、その画面で行われる処理内容について記載された設計書を元に、プログラムコードを書いていく。また、完成したシステムの機能や動作に不具合は無いかどう、試験書を元にシステムの動作試験を行うことも仕事の一つである。

就職して感じたのは、事業所の体験利用で感じた通り、プログラマという仕事が、自分にあっていたということだ。プログラムコードを書く作業は、油断すると過集中になるほどのめりこめてしまっている。また、就職活動では足かせとなっていた、細かいことにこだわる特性が、動作試験の際にはむしろ活かされ、細かい不具合を見つけ出すことができている。

 一方で、プログラマは黙々とプログラミング作業を行うイメージが強かったが、そのイメージは正確でないとも感じた。システムの設計書や試験書は人が作るものであるため、記載内容で分からない点があったり、明らかに誤りがあったりする場合がある。その場合は、他のプログラマや設計者、必要であればシステム開発を依頼した顧客などに確認する必要が出てくる。

またプログラムの書き方も一通りではないため、プログラミングについて他のプログラマや上司に相談する場合もある。したがって、実際のプログラマはプログラミングを上手くできるかどうかだけではなく、コミュニケーション能力も大切であることを実感した。発達障がいの当事者はコミュニケーションが苦手なこともあるが、私の場合、コミュニケーションで問題になることはあまり無い。チャットツールで顧客などとやり取りする際、自分がこれから投稿する内容で不安になることはあったものの、その際は上司に投稿する内容をチェックしてもらうことでカバーできている。

大学院生の時は研究室に行くタイミングも、家に帰るタイミングも原則自由だったため、何かとだらけがちであった。それが社会人になってから、規則正しく就労移行支援事業所に通っていたことと、社会人としての責務を感じ、フレックスタイム制で出退勤の時間に融通は効くものの、規則正しい生活を送れるようになった。そして仕事とプライベートのON-OFFの切り替え・メリハリがつくようになり、仕事もプライベートも充実させられるようになった。平日は仕事に集中し、休日や有給休暇を取得した際は、趣味の鉄道で、日本各地へ一人旅をするようになった。就職する前のイメージ通り、社会人としての責任感は感じるものの、その責任の対価として自由を手に入れられているのだと日々感じている。

そして、IT業界は日進月歩の世界であると感じている。最近ではプログラミングコードを編集するソフトにAI機能が搭載されるようになり、簡単なプログラムであれば指示を与えるだけでプログラミングコードをAIが書いたり、修正したりできるようになった。ただ、AIに任せきりにするのではなく、AIにどのような指示を与えるかで、AIの処理結果も変わってくる。それだけでなく、プログラミングそのものも年月が経つと新しいプログラミングの方法が公開されることもあるため、私は常に学ぶ姿勢を忘れないようにしている。

現在は他のIT企業に出向する形で、出向先でのシステム開発に、プログラマとして参加している。出向とはいうものの、テレワークを認めている企業であり、普段は自宅からテレワークで業務に当たっている。ラッシュアワーに混雑した電車で通勤する必要がないし、通勤時間が無くなった分、プライベートな時間を多めに確保することもできている。また、他のIT企業で働くということは、社風や職場の雰囲気が違っていて大変だが、その分、その会社でしか得られない知見や経験を得ることができている。ここでも、学ぶ姿勢は忘れないようにしているのだ。

働く環境で思うこと

植物を取り入れた開放的なオフィス環境

就職してからもうすぐ3年が経とうとしているが、やはり今の職場は自分に合っていると肌で感じている。職場では就業中に15分程度ブレイクタイムがあり、和やかな雰囲気で雑談をすることが多い。仕事が忙しくなることもあるものの、休暇申請はいつも許可してもらえているし、上司や社長も私たち社員のために、いつも楽しいイベントを企画してくれており、いつもリラックスした気持ちで仕事に励めている。

また、大学院生の時の就活では、自分の強み・弱みや自己理解を見つけ出すことに必死だったが、これが私にとっては大変な作業で、インターンなどで他の就活生がすらすらと自己アピールできるのが羨ましく感じていた。結局自己理解も進まぬまま大学院での就職活動は中断してしまったものの、就職した後の今となって、ようやく自分の強みなど、自己理解ができつつあるように感じている。就職活動はスピード勝負である部分もあり、当時マイペースな私は焦っていたからこそ、自己理解が進まなかったのかもしれない。

こうしてみると、改めて私には不器用な点があると感じる。しかし、その不器用な点はどうにかしてカバーできるし、むしろ自分の強みこそが仕事で活かせるのだと、この数年間の経験を通して感じてきた。4休1留だろうが、就職活動に失敗しようが、思いがけぬタイミングで就職できることがあることも、身を持って知った。

日本国内には星の数ほど企業があり、IT業界一つにとっても、電気やガスなどのインフラシステムを開発する会社もあれば、冷蔵庫やテレビ内で動くシステムを開発する会社、パソコンのソフトを開発する会社、スマートフォンアプリを開発する会社など、多種多様な会社がある。そして同じ業種・業態のIT企業であっても、会社の福利厚生や職場の雰囲気は違ってくる。

そんな中で、今の職場に巡り合えたことは幸運だったと感じており、私を採用してくれた今の職場には、いつも感謝の気持ちを持ち続けている。職場には多くの当事者がおり、それゆえ今の職場では「多様性を認め合う」ことを理念の一つとしている。それもあって、職場において、他の社員は私のことを認めてくれるし、その分、私も他の社員を認めるように心掛けている。互いの長所を生かしあい、短所を補い合うことで、誰もが仕事で輝けるような職場、そして社会を創り上げていけたらと私は願っている。

前編はこちら

ライター O.T.

- SNSでシェアする -