クラフトリリース
2026.10.29

10月30日は「食品ロス削減の日」。地域の食と暮らしを未来へとつなぐ知恵

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毎年10月30日は、「食品ロスの削減の推進に関する法律」に定められた「食品ロス削減の日」です。10月は「食品ロス削減月間」とされ、国や自治体、企業、そして私たち一人ひとりが、食品ロスを減らすためにできることを考える機会となっています。

農林水産省および環境省が公表した推計データによると、2024年度に国内で発生した食品ロスは年間461万トンに上ります。これは、本来食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品の量です。国民1人当たりに換算すると、年間約37キログラム、1日当たり約102グラムに相当します。食料の多くを海外からの輸入に頼る日本にとって、食品ロスは資源の有効活用や環境負荷の軽減という観点からも、取り組むべき課題の1つです。

しかし、食品ロスの削減は、廃棄量を減らすことだけが目的ではありません。私たちの食卓に届く野菜や魚介類、米などの食材は、生産者が手間をかけて育てたり、獲ったりしたものです。食材を無駄なく使うことは、そうした生産の背景に目を向け、地域に受け継がれてきた食文化を守ることにもつながります。
日々の買い物や食事の仕方を見直すことから、地域の食材を新たな商品へといかす取り組みまで。食品ロス削減のさまざまな実践を通して、食の恵みを無駄なくいかす方法を考えてみましょう。

今日から始める身近なアクション。家庭や街でできる工夫

食品ロスを減らすために、特別な設備や大きな投資が必要なわけではありません。買い物の仕方や食事の量を見直すなど、日々の小さな行動も食品ロス削減につながります。

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日常の買い物でできる取り組みの1つが「てまえどり」です。購入してすぐに食べる予定がある場合、棚の手前にある賞味期限や消費期限が近い商品から優先的に選ぶ購買行動を指します。販売期限が近づいた商品の廃棄削減につながることが期待される、買い物の際に実践しやすい方法です。

また、家庭で使いきれない未開封の食品を持ち寄り、地域の福祉施設やフードバンク団体に寄付する「フードドライブ」も、自治体や企業、地域団体などによって実施されています。缶詰や乾麺、レトルト食品などを寄付することで、食品を必要とする人への支援と、食品の有効活用を両立する活動です。受け入れ可能な食品の種類や賞味期限などの条件は実施団体によって異なるため、事前に確認して参加してみてはいかがでしょうか。

さらに、外食時には、食べきれる量を注文することも大切です。宴会などで知られる「3010運動」は、長野県松本市で始まった取り組みで、乾杯後の30分間とお開き前の10分間は料理を楽しむ時間を設け、食べ残しを減らそうというものです。

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食べきれなかった料理については、飲食店に持ち帰りが可能か相談する方法もあります。消費者庁と厚生労働省は、食品ロス削減のため、2024年12月に「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」を公表しました。ただし、持ち帰りには衛生上の注意が必要で、店舗との合意も欠かせません。持ち帰る場合は、店側の説明に従い、速やかに食べるなど適切に管理することが求められます。

地域資源を未来へつなぐ。全国で広がる新たなアプローチ

身近な行動に加え、地域の特性やアイデアをいかした工夫や商品開発も広がっています。規格外の野菜や未利用食材の活用は、廃棄を減らすだけでなく、地域の食の魅力を発信することにもつながります。

例えば、長崎県平戸市の株式会社アイルが開発した「VEGHEET(ベジート)」は、野菜の新たな活用方法を提案する商品です。野菜と寒天を原料にシート状に加工した商品で、食品添加物や化学調味料を使用していないことも特徴です。料理を巻いたり、彩りを添えたりと、従来とは異なる形で野菜を楽しむ方法を提案しています。

また、地域の店舗と消費者をデジタル技術でつなぐ仕組みも広がっています。株式会社G-Placeが展開し、長崎県佐世保市や宮城県仙台市など全国の自治体で導入されているフードシェアリングサービス「タベスケ」はその代表例です。賞味期限や消費期限が近づいた商品や過剰在庫を抱える地元の店舗がウェブサイト上に情報を掲載し、購入を希望する利用者が予約して店舗で受け取るシステムです。店舗にとっては、売り切りたい食品を販売して廃棄削減につなげる機会となり、消費者にとってはお得に食品を購入できるメリットがあります。

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以前、当メディアの特集で紹介した「La popote(ラ・ポポット)」の背景にも、規格外食材をいかす取り組みがあります。熊本県の株式会社HOSHIKO Linksが進める「くまもとトマトロジープロジェクト」は、見た目や色が不揃いで規格外とされ、市場に出回りにくいトマトを有効活用する試みです。食品ロスの削減に加え、加工や商品開発を通じて新たな価値を生み出しています。La popoteでは、HOSHIKOの乾燥野菜などを活用し、地域の食材をいかしたメニューや商品を展開しています。食材を無駄なくいかしながら、食べる楽しみや地域の魅力を伝える実践例として注目したいところです。

La popoteについては、こちらの記事もご覧ください。

こうした各地域の取り組みは、単に食材の廃棄を抑えるだけでなく、生産者や加工事業者、販売店、消費者の間に新たな連携が生まれます。地域資源を活用する工夫が、地元の食の魅力を再発見するきっかけにもなっています。

伝統の手仕事と道具から考える、日本の食文化

食材を大切に扱い、できるだけ無駄なく使う考え方は、日本の食文化にも受け継がれてきました。味噌や醤油、漬物、干物、日本酒など、食材を発酵させたり乾燥させたりする保存技術は、季節の恵みを長く味わうために発展してきました。

こうした食文化を支えてきたものの1つが、木桶や陶磁器などの道具です。発酵や保存に使われる道具には、素材や形状、使い方に応じた特徴があり、職人の技術が製造や修理、手入れの方法にいかされてきました。地域ごとに受け継がれてきた道具や製法を知ることは、食材だけでなく、食を支える技術や文化への理解を深めるきっかけにもなります。
また、道具を手入れしながら長く使うことは、使い捨てを減らすという点でも、持続可能な暮らしを考えるヒントになります。もちろん、道具の機能や適した用途はそれぞれ異なりますが、つくり手の技術を知り、用途に合ったものを選び、手入れをして使い続ける姿勢は、日々の暮らしを見直すきっかけになるでしょう。
食材をいかす知恵と、道具を大切に使う文化。どちらも、身の回りにある資源を尊重し、長くいかそうとする考え方に根差しています。

一人ひとりの小さな選択が、食と地域の未来を育む

10月30日の「食品ロス削減の日」をきっかけに、私たちが普段なにげなく手に取っている食べ物の背景にある人の想いや、地域の豊かな食文化に目を向けてみてはいかがでしょうか。日々の小さな選択と地域で進むさまざまな工夫を重ねながら、食の恵みを無駄なくいかす暮らしを目指していきましょう。


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もっと知りたいあなたへ

環境省 令和8年度食品ロス削減月間について
https://www.env.go.jp/press/press_05593.html
消費者庁 めざせ!食品ロス・ゼロ
https://www.no-foodloss.caa.go.jp/

本記事は筆者の見解・体験に基づくものであり、一部一般的な情報や公開資料を参考にしています。

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