思い立ったが吉日、ちょっとそこまでの旅〜栃木県佐野市(番外編)〜
栃木県佐野市にやってきた目的は、実は地元感溢れるはしご酒であった。
夕刻からの飲食に出かける前までを、「思い立ったが吉日、ちょっとそこまでの旅〜栃木県佐野市(前編)〜」で佐野市の紹介とともに記した。
しかし、日記的なものを記事にしても良いのだろうかと逡巡した結果、記事にはするものの、このはしご酒部分は「番外編」として、本編からは切り離すこととした。
ということで、以下が佐野での極私的はしご酒の記録である。
ここまでの本編(前編)は下記からご参照いただきたい。
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夕方の豪雨で出鼻をくじかれた形のわれわれではあったが、スーパーホテルの無料ウェルカムバーでの0次会開催によって、暖機運転は十分である。
黙々と豪雨の中を歩くこと7分(多分そのくらいだと思う)、友人が予約をしておいてくれた店に到着した。
ずっと食べてみたかった「とん酢」

その店の名前は「ねもとん」。
主人が根本さん、かつシグネチャー料理が「とん酢」で「ねもとん」、シンプルである。
なお、この解釈は私が勝手にしているだけなので真実は知らない。
ところで、案内人がいると後ろをついて行けば良いため、道を覚えられないということはないだろうか。今回の旅はまさにそれで、店の位置関係をさっぱり理解できていない。旅の記録を綴るにあたり、地図アプリをじっくり眺めているありさまである。
ねもとんは、JR両毛線および東武佐野線の佐野駅と佐野市役所の間くらいにあり、周りにも飲食店が軒を連ねている。佐野のメイン飲食街の一角と思われた。
太ももより下部は完全にビッショリで重いデニムとスニーカーの濡れネズミスタイルで入店。カウンター席へ友人と並んで着座する。
以前から、友人が飲みに行っているのを知っており、いつかは訪問して飲みたいと思っていたお店への訪問、濡れた服と靴の気持ち悪さも吹き飛ぶというものだ。
駆けつけの生ビールが冷たくて喉に心地よい。
そして、ずっと食べてみたかった「とん酢」をオーダー。
「とん酢」とは何か、気になる方もいるだろう。私もずっと気になっていたのだ。
皿に盛られて出てきたとん酢は、見た目は「え、これ豚の角煮でしょ?」と言ってしまう見た目であった。よい感じに醤油の色が入った三枚肉に、青ネギが散らしてある。
どう見ても角煮なのだが、食べてみると、あら不思議。甘くない。「酢」とある通り、酢を入れて煮込んでいるので、さっぱりした味わいである。
これはビールが進む味。グイグイと食べてしまう。「とん酢」、素直においしかった。
ハシゴ酒で更けゆく佐野市の夜
ねもとんの裏口から出て、友人に導かれて次の店へ向かう。
外はすっかり雨が止んで、ホテルで借りた傘は無用の長物となっていたが、借りたものはきちんと返さねばならぬ。しっかり持って、夜の佐野市をてくてくと歩く。
1本裏に入れば住宅街なのだが、その中に飲食店もひっそりと点在している印象のエリアだ。
道に面した広い駐車場を横切り、奥の普通の民家に見えるところに2軒目の「93(クミ)」はあった。
ドアを開けると個性的な髪型が素敵なママのクミさんが「いらっしゃいませ」と笑顔で迎えてくれる。大きなカウンターがあり、明るい雰囲気のお店である。看板には「歌える居酒屋」とあるが、現代風なスナックという感じだ。

豪雨のせいなのか、今日はお客さんが少ないようで、先客の高齢男性も早々に帰ってしまったので、クミさんと友人が次々繰り出す地元話を楽しく聞く時間となった。
地元の店で常連になるということはこういう雰囲気を楽しめるということなのだろう。残念ながら私の地元駅では飲食店が栄えないので、そういった行きつけが作れないでいる。
ひとしきりキャッチアップが終わったところで、本日の締め、つまり3軒目へ向かう。
時刻は10時半過ぎといったところ。付近は住宅街でもあるので、すでに静まり返り、人っ子1人歩いていない。ちょっと寂しい気もするのだが、静けさがほろ酔いに心地良くもある。
来た道を戻り、さっきは通り過ぎた店へ友人が吸い込まれた。
角地の2階建。全面を蔦が覆い、なかなかの風情である。初見で入ることを決めるには勇気が必要かもしれない。その店の名は「愛鈴(あいりん)」だ。

店内は、仄暗い大人の雰囲気。しかし、外観とあだ名から受ける印象とは違い、普通に落ち着いた店なのだった。ママのえつこさんは友人の中学の同級生。やはり笑顔で迎え入れてくれる。
先客のスーツ姿の初老の男性とも軽く挨拶をして、別のソファに座る。
ほどなくして、氷と焼酎のボトル、レモンの割材、乾き物のトレイが運ばれてきた。
店の3面に釣られているディスプレイにはDVDの映画が流れている。
えつこさんは洋画が好きで、友人によれば常になんらかの洋画がかかっているのだそうだ。その影響か、普通のスナックよりも「家感」がすごい。友人の家で明かりを暗くして映画を見ているような感じ。そんな中でゆるっとレモンサワーを飲む。
11時を過ぎたころに男性客が帰って行った後は、同級生の気楽な会話が続く。
すでにリタイアした人もいる年齢に差し掛かっている。近況報告から昔話まで、女性の話というのはあちこちに飛んでもどこかに繋がりがあって、不思議なのだ。
人生の先輩たちの掛け値なしの本音の話は、深いようなそうでもないような、不思議な流れで面白く、あっという間に午前0時となった。
夜更けの路上で、2人に並んでもらい写真を撮った。
そんな機会も意外とないだろうから、記念写真になるといい。
雨はすっかり止んで、湿気で空気がちょっと白く霞む中、ホテルへ帰還したのは0時半ごろだったろうか。
豪雨から始まった佐野のはしご酒は、最後は静かに穏やかに終了した。
番外編の番外編「チョリソー食べ比べ」を佐野の飲み屋でやってみた

食べ比べなので、レビューにすべきなのかとも悩んだが、番外編の番外編としてこっそりとここに置いておこうと思う。それがこの「チョリソー食べ比べ」である。
昨今、スーパーでソーセージを買おうとすると、お隣にチョリソーが並んでいたりするのにお気づきだろうか。自宅近隣のスーパー3店ほどを回って見てみると、4種類ほどがすぐに揃うのだ。
それぞれを別の機会に購入して食べたことはある。
しかし、どれが1番おいしいと感じてリピートしようとなるのかは、食べ比べないとわからないのではないか。以前よりそう思っていた。
1人で食べ比べるのはちょっときつい。そして食べた感想を言い合いたい。ちょうどいい機会だなと、この旅行で友人に話を持ちかけたところ、「面白いからやろう!ねもとんで!」と、勝手にねもとんで開催することにしてしまった。押しの強い友人のおかげで、東京から持ち込んだものを、ねもとんでちゃんと調理していただき食べ比べができることになった。
入手できたのは4種類
そもそも、チョリソーとは何か。
スペインはイベリア半島発祥のソーセージの一種であり、スペイン語でChorizoと書く。豚肉にパプリカとニンニクをたっぷりと使い乾燥・熟成させて作るもの。赤い色は唐辛子ではなくパプリカの色だ。そして、なんと本場のチョリソは辛くないものも多い。
日本にはメキシコやアメリカを経由して入ってきたので、スパイシーな辛味のあるソーセージという印象が強いのだそうだ。本場のチョリソーは薄切りにしてそのまま食べたり、煮込み料理に使われたりするが、日本のものは、焼いてビールのつまみなどにされることが多い。ということで、今日の食べ比べは、ボイルの後に軽く焼いてもらったもので行うこととした。もちろんビールをお供にしている。
番外編の番外編ゆえ、短めに感想を記していこう。
1.やみつきになる辛口チョリソー(フードリエ)

一発目はこちらである。
そもそも、フードリエという会社を知らなかったのだが、東京から持ち込んだこの商品は、なんと栃木県で作られていた。那須塩原市にある会社であった。
パッケージにも唐辛子の絵が炎とともに描かれている。「辛口」と赤字でデカデカと記載されているので、相当に辛いのであろうか、などと思いながら齧ってみた。
初手は大して辛くないが、飲み込んだ後に辛味がやってくる。塩分はさほど感じないので、食べやすいが可もなく不可もなく、という感じであった。
2.シャウエッセンパワ辛(日本ハム)

おなじみのシャウエッセン登場である。
見慣れたパッケージが茶色ベースではなく、赤みの強い色になっている。そしてこちらも「パワ辛」がシャウエッセンより大きく書かれている。辛いぞ!とアピールしないと、間違って買って、子どもに食べさせてしまうなどのウッカリさんがいるのかもしれない。
さて、味はというと。辛味はさほど感じないのだが、塩味がきつい。これは私も友人も同じ感想を持った。肉汁が赤く染まっており視覚的に辛みを感じさせる。塩味の強さから、ビールが進むことは間違いなかろう。
3.超あらびきチョリソー(米久)

米久は、個人的に焼豚が好きで、たまに切り落としなど購入してこっそりと食べているのだが、ソーセージは食べたことがなかったので、今回のチョリソーが初めての体験である。ゆえに、通常の粗挽きソーセージの味を知らないため、最初から辛味との対峙となるわけだ。
ここで、謎の流れではあるが、ねもとんに酒類を卸している酒屋さんも参加となった。地元らしさの集大成とでも言おうか。
3人ともが、ひと口めから共通して持った感想が「肉のにおいが立つ」という点。これは好き嫌いもあり、肉々しくて良いと感じるか、ちょっときついと感じるかは人それぞれだろう。塩気に関してはちょうど良いという評価となった。
4.アルトバイエルン旨辛味(伊藤ハム)

こちらもご存じ、粗挽きソーセージの王道もいえるアルトバイエルンだ。
こちらは比較的おとなしめのパッケージではあるものの、「旨辛」はアルトバイエルンと同じくらいのポイント数で記載されている。さらにその上にルビのように「チョリソー」と書いてあるのだ。旨辛のフリガナがチョリソーとは強めのアピールである。
燻香がしっかり感じられ、塩気はマイルド。辛味はあるが強くはない味わい。
万人に受け入れられやすい味になっていると全員一致である。食べやすいが、辛味もあり、まさに旨辛といったところであろうか。
おしまいに
佐野の旅の番外編、さらに食べ比べの番外編の番外編まで、長々と個人の日記のような文章にお付き合いいただいた皆さまには心からお礼申し上げる。
今回の佐野の旅、ちょっとそこまでの旅は、いわゆる田舎(故郷)のない私にとっては疑似体験のような旅となった。有名な観光地を回る旅も楽しみは多くあるが、気の置けない友人の故郷に連れて行ってもらうのも、なかなか得難い経験であり、とても楽しいものだった。
最後に、チョリソー食べ比べはあくまでも私と友人の個人的な感想であることをお断りしておく。いずれの商品もそれぞれの個性があり、どれもおいしくお酒のアテとしていただくことができた。調理を担当してくれた、ねもとん主人の根本さんにも感謝しつつ、この辺で番外編の筆を置こうと思う。
またいつか、ちょっとそこまでの旅をするときまで。
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もっと知りたいあなたへ
佐野市観光協会
https://sano-kankokk.jp/
本記事は筆者の見解・体験に基づくものであり、一部一般的な情報や公開資料を参考にしています。