クラフトリリース
2026.8.26

星加のゆべし 焼きドーナツ〜和三盆・バニラ・ショコラを食べ比べ〜

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和三盆・バニラ・ショコラ。東京でふと恋しくなる、西条のやさしい甘さ

定期的に実家から送ってもらう地方銘菓がある。
その一つが、愛媛県西条市の老舗、星加のゆべしが作る焼きドーナツだ。

伝統菓子のゆべし、ではなく、この店の作る焼きドーナツなのだ。
東京で暮らしていると、美味しいものに出会う機会はいくらでもある。新しい店も、洗練された洋菓子も身近だ。それでも、ふと食べたくなるのは、流行の強い味ではなく、毎日の暮らしになじむやさしい甘さだったりする。
星加の焼きドーナツは、僕にとってまさにそういうお菓子だ。

西条市といえば、水の町として知られている。
名水百選にも選ばれた「うちぬき」と呼ばれる湧き水が、町の空気そのものを澄ませているような場所だ。
その土地で作られる食べ物には、どこか雑味のない素直さがある。この焼きドーナツにも、その感じがちゃんとある。

まず印象に残るのは、揚げていないことによる軽さ。
見た目にはきれいな焼き色がついていて、焼き菓子らしい存在感があるのに、手に取ると生地はふわっとやわらかい。ひと口食べると、最初に表面のほのかな香ばしさが来る。そのあとで、しっとりした生地がゆっくりほどけていく。油の重さが前に出ないから、甘さの出方も香りの残り方もきれいだ。
ひとつで満足感はあるのに、後味は驚くほど軽い。この食べやすさが大きな魅力だと思う。

今回は、特に好きな和三盆、バニラ、チョコレートの3種類を食べ比べてみた。

まずは、和三盆

和三盆ドーナツ

最初に食べたのは和三盆。
この焼きドーナツの良さが、いちばん素直に伝わる味だと思う。

袋を開けた瞬間、やわらかな甘い香りがふっと立つ。強く押してくる香りではない。きめ細かな砂糖が空気に溶けるような、丸くて静かな香り方だ。この時点でかなり印象がいい。
ひと口かじると、表面はごく薄く締まっていて、中はしっとりふんわりしている。生地はきめが細かく、口の中でほろりとほどける。和三盆の甘さは前に出すぎず、舌の上に薄く広がって、あとからじんわり残る。甘いというより、なめらかでやさしい。そんな味わいだ。

特によかったのは後味の静かさだ。甘さが喉に残らず、食べ終わりがとても美しいという感触。お茶と合わせると上品さが立つし、コーヒーと合わせても甘さが浮かない。派手ではないけれど、気づけばまた手が伸びる。そんな強さを持った一品だ。

次はバニラ

バニラドーナツ

3種類の中でいちばん親しみやすく、最初のひとつとしても薦めやすい味だ。
袋を開けると、やわらかく甘い香りがふんわり広がる。よくあるバニラ菓子のように香りだけが前に出る感じではなく、焼き上がった生地の香ばしさの奥から、ミルキーでやさしい香りが自然に立ち上がってくる。この軽やかさがいい。

口に入れると、まず生地のしっとりしたやわらかさがある。そこにバニラの香りがゆっくり重なって、最後に焼き菓子らしいやさしいコクが残る。甘さは控えめなのに、香りに厚みがあるから物足りなさはない。舌ざわりもなめらかで、後口はとても軽い。

バニラの良さは、わかりやすさにあると思う。ひと口食べれば、素直においしいと感じられる。
親しみやすいのに単調ではなく、香りにはちゃんと奥行きがある。コーヒーとの相性は特によく、苦みのある一杯と合わせると、やさしい甘さがきれいに立ち上がる。誰に渡しても喜ばれやすいのは、このバニラかもしれない。

最後はチョコレート

チョコレートドーナツ

3種類の中では、いちばん満足感がはっきりしている味だ。
袋を開けた瞬間から、香りの輪郭がほかの2つよりくっきりしている。
カカオの香ばしさがしっかり感じられて、甘さより先に少し深みのある香りが来る。濃厚すぎる重たい匂いではなく、焼き菓子としてちょうどいい濃さに整えられている印象だ。

食べてみると、まず生地のしっとり感が来る。そこからチョコレートのコクがじわっと広がって、口の中にゆるやかな厚みをつくる。和三盆やバニラより甘さは少しはっきりしているが、油分の重さがないから味がもたつかない。チョコの風味はしっかりあるのに、最後まで軽やかに食べ切れる。
満足感と軽さの両立は、この味のいちばんの魅力だと思う。甘いものをしっかり食べたい日には頼もしいのに、食後に気持ちが重くならない。少し疲れた日の午後や夜に食べると、その良さがよくわかる。

3種類を食べ比べて感じたこと

3種類を並べてみると、個性はかなりはっきりしている。
和三盆は、甘さの質感が繊細で上品。
バニラは、香りがやわらかくて親しみやすい。
チョコレートは、コクがあって満足感が高い。

ただ、どの味にも共通している魅力がある。それが、生地の完成度。
表面には焼き菓子らしいほのかな香ばしさがあり、中はしっとりしていて、きめが細かい。甘さは強すぎず、後味は軽い。焼きドーナツという名前から想像する以上に、全体のバランスが整っている。ひとつ食べたときの満足感はちゃんとあるのに、もうひとつ食べたくなる余白もある。
この加減がとても上手い。

自宅用として優秀なのはもちろん、贈り物としてもちょうどいい。
地方色はあるけれど、味にクセがない。大げさではないのに、食べるとちゃんと印象に残る。こういうお菓子は、ありそうで意外と少ない。東京にいても、また食べたくなる。
それは地元の味だからというだけではなく、今食べてもちゃんとおいしいからだ。
星加のゆべしの焼きドーナツは、西条のやさしい空気まで一緒に届けてくれるようなご当地スイーツだと思う。

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もっと知りたいあなたへ

星加のゆべし
https://hoshikanoyubeshi.jp/?mode=cate&cbid=2771741&csid=0

本記事は筆者の見解・体験に基づくものであり、一部一般的な情報や公開資料を参考にしています。

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