あんこ×バターの組み合わせは、お店ごとに個性が出るもの。中には「ちょっと甘すぎる」「途中で重たく感じる」といった経験をした方もいるのではないでしょうか。今回ご紹介するのは、そんなイメージをいい意味で覆してくれた、宮城県の和洋菓子店「栄泉堂(えいせんどう)」の「バター最中」を実食レビュー。香ばしい最中皮に、十勝産小豆のあんことコク深いバターをサンドし、アクセントにフランス・ゲランド産の塩を効かせた人気商品です。
今回は、地域のこだわりの商品を取り扱っているお店、東京・秋葉原駅の「のもの」で販売があると聞きつけ、さっそく購入。実際に食べて感じた味わいや魅力はもちろん、「栄泉堂」というお店についても詳しくご紹介していきます。最後まで飽きずに食べられる、塩気の効いた「バター最中」を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
宮城県「栄泉堂」とは

「栄泉堂」は、宮城県最南端の丸森町(まるもりまち)に店を構える、地域に根ざした和洋菓子店。1893年に飴屋として創業し、現在は5代目が暖簾を守っています。
仙台市の人気パティスリー<メゾン シーラカンス>の池田氏の実家としても知られ、ファンの間では有名なお店。メゾンシーラカンスの看板商品「シーラカンスモナカ」のルーツとも言われているのが、この「栄泉堂」の「バター最中」です。実際に、シーラカンスモナカの表面には、うっすらと「栄泉堂」の文字が刻まれています。
もともとは和菓子・洋菓子の両方を手がけていましたが、5代目の池田洋平氏は和菓子店で修行を積んでいたこともあり、当初は和菓子1本でやっていく考えもあったそう。しかし、町内にあった洋菓子店が次々と閉店し、地域で洋菓子を購入できる店が「栄泉堂」だけになっていきました。
そんな中、「楽しみにしてくれている地域の方々の期待に応えたい」という思いから、和洋菓子の両方を続けていくことを決意。現在も、昔ながらの和菓子から親しみやすい洋菓子まで、幅広いお菓子を展開しています。
宮城県・丸森町について

丸森町は、宮城県の最南端、福島県との県境に位置する自然豊かな町です。町の中心を阿武隈川(あぶくまがわ)が流れ、周囲を山々に囲まれた盆地ならではの、のどかな田園風景が広がります。
仙台駅からは電車で約1時間、車でも約70分とアクセスしやすく、自然に囲まれながらゆったりとした暮らしを楽しめるのも魅力。

また、丸森町ではかつて養蚕が盛んだった時代に、蚕を守るためネズミを駆除してくれる猫を大切にし、「猫神(ねこがみ)」として祀る文化が根付いていました。町内では、猫の姿が彫られた石碑や石像、猫にまつわる文字が刻まれた石碑などが数多く発見されており、全国的にも珍しい「猫神の町」として知られています。
「栄泉堂」では猫をモチーフにした生どら焼きが販売されているほか、今回購入した「バター最中」の箱にも、かわいらしい猫神さまのシールが貼られていました。
バター最中を食べてみた

念願の「バター最中」を実食!
購入した秋葉原駅の「のもの」では、1個から購入できるバラ売りのほか、6個入りの箱タイプも販売されていました。平日の16時過ぎでもまだ在庫がありましたが、人気商品のため、確実に購入したい場合は事前に問い合わせしておくと安心です。
賞味期限は製造から13日ほど。もっと短いのかと思っていましたが、意外と日持ちする印象でした。温度管理に気をつければ、手土産にも選びやすそうです。
まずは、冷蔵庫で冷やしていたものをそのままいただきました。最中皮はしっとりとしていて、ひと口目からしっかりバターにたどり着くほど、全体にまんべんなくサンドされています。
口に入れると、最初にあんこのやさしい甘さがふわっと広がり、その後にバターのコクが追いかけてきます。そして最後に残るのが、ゲランド塩のほどよい塩味。この塩気が全体を引き締めてくれるので、後味が重たくならず、最後まで軽やかに食べられます。「あんこ×バターは少し重そう」というイメージを持っている方にもおすすめしたくなる味わいでした。
1個でしっかり満足感はありつつ、不思議ともう1個食べたくなる軽さも魅力です。
続いて、トースターで30秒ほど温めてみました。最中皮がほんのり香ばしくなり、パリッと心地よい食感に。冷やした状態とはまた違った軽やかさがあり、こちらもとても美味しい食べ方でした。
ちなみに、常温で少しやわらかくなった状態は、バターとあんこの一体感をより楽しめるそう。食べ方によって印象が変わるのも、この「バター最中」の面白さです。
ゲランド塩とは

「バター最中」の味を引き締めるアクセントになっている「ゲランド塩」。料理好きの方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
ゲランド塩とは、フランス北西部・ブルターニュ地方のゲランド地区で作られている天日塩のこと。9世紀頃から続く伝統的な製法で作られており、現在もパルディエと呼ばれる塩職人たちが、代々受け継がれてきた方法を守りながら生産しています。
製法はとてもシンプル。海水を潮の満ち引きを利用して塩田へ引き込み、太陽と風の力だけでゆっくり結晶化させます。その塩を、職人たちが手作業で収穫しているのだそう。
添加物を使わず作られるため、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルを豊富に含んでいるのも特徴。まろやかな塩味と奥行きのあるうまみがあり、素材の味を引き立ててくれます。
「栄泉堂」の「バター最中」でも、このゲランド塩が甘さとバターのコクをうまくまとめ、後味をすっきりと整えていました。単なるしょっぱさではなく、味に立体感を与えている印象です。

また食べたい、誰かに贈りたい——そんな気持ちになる「栄泉堂」のバター最中。あんこ×バターという親しみのある組み合わせでありながら、ゲランド塩のアクセントによって上品さと驚きが加わり、印象に残る味わいに仕上がっていました。
和菓子好きはもちろん、普段あまり最中を食べない方にもぜひ一度試してほしい一品。丸森町で長く愛されてきた理由を、ひと口で感じられるようなおいしさでした。
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もっと知りたいあなたへ
栄泉堂 オンラインストア
https://eisendo.base.shop/
メゾン シーラカンス
https://www.kazunoriikeda.co.jp/shopbrand/ct26/
本記事は筆者の見解・体験に基づくものであり、一部一般的な情報や公開資料を参考にしています。