2026.4.2
地方の奇妙な看板 手書きの『注意』が増殖する公民館
地方の公民館には、手書きの貼り紙が、異常に多い。
「使用後は必ず消灯してください」
「ゴミは各自お持ち帰りください」
「トイレットペーパーの芯は、ゴミ箱へ」
「スリッパは揃えてください」
「エアコンは28度設定でお願いします」
そして、極めつけは、「借りた物は元の場所に戻してください」の下に、「『元の場所』とは、借りた場所のことです」という補足が、追加されている。
地方の公民館の貼り紙は、誰かが何かをやらかすたびに、一枚、増える。
最初は「常識でわかるでしょ」と思われていたことが、誰かが破ったことで、貼り紙になる。そして、その貼り紙を読まずに、また誰かが同じことをすると、さらに強調された貼り紙が、上から貼られる。
「使用後は必ず消灯してください」
↓
「使用後は必ず消灯してください!」
↓
「★重要★ 使用後は必ず消灯してください!!!」
ビックリマークが、怒りのバロメーターになっている。
この貼り紙を眺めていると、ここで何が起きたのか、想像できてしまう。
誰かが消灯しなかった。
誰かがゴミを放置した。
誰かがスリッパを揃えなかった。
その一つ一つが、貼り紙という化石になって、壁に残っている。地方の公民館は、人間の「やらかし」の博物館だ。
貼り紙を読めば、この地域で何が問題なのか、すべてわかる。そして不思議なことに、貼り紙が増えても、問題は減らない。なぜなら、貼り紙を読む人は、もともと、ちゃんとする人だからだ。
貼り紙を読まない人は、50枚貼られても、読まない。それでも、貼り紙は増え続ける。
「今度こそ、読んでくれるかもしれない」
この希望が、地方の公民館の壁を、文字で埋め尽くしていく。