夏の夜空を埋め尽くすように広がる花火。その一発一発が大きな音とともに夜空を彩り、会場に集まった人々を魅了します。秋田県大仙市で開催される大曲の花火大会は、全国から花火を見に訪れる人も多く、夏の大曲を代表する一大イベントです。
今回は、実際に大曲の花火大会へ足を運び、その魅力を現地で体験してきました。会場の雰囲気や花火の迫力、実際に訪れて感じたことを交えながら、レビューしていきます。
花火大会の歴史や楽しみ方については、以前当メディアでも紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
日本最高峰の花火競技大会
秋田県大仙市で開催される「全国花火競技大会」は、「大曲の花火」の名で親しまれている、日本を代表する花火競技大会です。一般的な花火大会とは異なり、全国から選ばれた花火師たちが自ら手がけた花火を打ち上げ、その技術や表現力を競い合うのが大きな特徴。美しい花火を楽しむだけでなく、花火師たちの技術を間近で感じられることも、この大会ならではの魅力です。
なかでも、毎年8月に開催される「全国花火競技大会」は、1910年(明治43年)に始まった長い歴史を持つ大会。全国からトップクラスの花火師が集まる大会として知られ、花火師にとっても目標の一つとなっています。
そして、大曲の花火ならではの見どころが、昼の明るい空に打ち上げる「昼花火」です。色煙などを使って空に模様を描く昼花火も競技として行われ、一般的な花火大会ではなかなか見ることのできない、独特の光景を楽しめます。
「大曲の花火」は夏だけではありません。春には「春の章」、秋には「秋の章」が開催され、季節ごとに異なるテーマや演出で花火を楽しむことができます。
今回は、そのなかでも毎年夏に開催される「全国花火競技大会」へ。実際に会場を訪れ、花火師たちが繰り広げる迫力の競技花火を体感してきました。
会場までの道のりも盛り上がりでいっぱい

今回、運良くお昼からの新幹線の指定席を取ることができたので、東京駅から秋田新幹線「こまち」に乗り、大曲へ向かいました。
こまちは全車指定席のため、事前に指定席を確保して乗車。ところが、花火大会当日ということもあり、途中から車内には立っている人の姿も見られました。
「全車指定席だったはずでは?」と驚きましたが、満席時には「立席特急券」が発売されることがあるそうです。途中で見かけた大曲行きの電車にも多くの人が乗っており、全国から人を集める大きな大会であることを実感しました。
大曲駅に到着すると、すでに人が多く、改札を抜けるのにも一苦労。臨時の改札も用意されていました。
臨時改札では、駅員さんに切符を手渡して改札を出るなど、普段とは違う光景も見られました。
駅を出て花火通り商店街のアーチをくぐり、会場へ向かって歩きます。
会場までは徒歩で30分ほど。道中にはさまざまな場所で屋台が出ていて、たくさんの人で賑わっていました。会場へ向かう道そのものがお祭りのような雰囲気で、歩いているだけでも楽しく、花火への期待も少しずつ高まっていきます。

会場までの道に迷ってしまったこともあり、昼花火の開始時刻には間に合わず、会場へ向かいながら昼花火を観覧することになりました。
明るい時間に見る花火想像がつきませんでしたが、夜の花火とは異なる景色が広がっていました。
煙の色や形、広がり方などを楽しめ、赤や黄色、青などの色煙が鮮やかに広がり、まるで煙で空に絵を描いているよう。
昼花火の競技大会が行われるのは日本では大曲だけ。今回は会場へ向かいながらの観覧となりましたが、実際に見ることができたのは貴重な経験でした。
いよいよ夜花火!迫力と技術に圧倒される花火の競演
無事に会場へたどり着き、有料席エリアへ入ると、そこには有料席の利用者だけが利用できる屋台が並んでいました。
夜花火の開始までせっかくなので屋台へ向かいます。有料席エリア内の屋台とはいえ、利用する人はとても多く、どのお店も行列ができていました。無事購入し、夜花火を楽しむ準備も万端。
開始15分前、夜空にたくさんの光が現れ始めました。
約1,000機が夜空を彩るドローンショー
始まったのは、約1,000機のドローンを使った特別プログラム。
今回は、映画の舞台として大曲が登場する某アニメ作品と、セキュリティブランド「ノートン」によるスペシャルドローンショーが行われました。
夜空を自由に動きながら、次々と形を変えていくドローン。サイバーセキュリティを自分や家族にも関わる身近なテーマとして捉えられるようなストーリーが展開され、楽しみながら学べる内容になっていました。
ドローンショーに感動しているのも束の間。ショーが終わると、いよいよ夜花火の幕が開きます。
花火師たちが競う夜花火
夜花火では、全国から選ばれた28社の花火師が技術と表現力を競います。競技は、10号玉の「芯入割物」と「自由玉」、音楽に合わせてテーマを表現する「創造花火」の3部門。まずは開幕を告げるオープニング花火からスタート。挿入歌「夢の空」に合わせ、約800mのナイアガラを伴うスペシャルスターマインが夜空を彩ります。音楽に合わせて次々と打ち上がる花火はとてもダイナミックで、オープニングとは思えないほど豪華。まるでフィナーレの花火を見ているような迫力でした。

10号玉の打ち上げ場所が席から近く、一発一発が迫力満点。大きく開いた花火が目の前いっぱいに広がり、花火が開くたびに響き渡る音とともに、その迫力を全身で感じることができました。
「創造花火」は特に印象に残りました。人魂のようにゆらゆらと動く花火や、線香花火を思わせるような繊細な花火など、さまざまな表現が夜空に広がります。なかでも驚いたのが、隕石のように勢いよく、素早く落下していく花火。まるで夜空から何かが降ってくるような動きに、「花火でこんな表現ができるのか」と驚かされました。曲の世界観を花火そのもので表現しているようで、花火師たちの技術の高さを目の当たりにした瞬間でした。
競技花火の合間には、特別プログラムやスポンサー花火なども打ち上げられ、終盤に差し掛かったところで、いよいよ大会を代表する演目「大会提供花火」が始まりました。
大きな見どころというだけあり、次々と打ち上げられる花火が夜空いっぱいに広がり、気がつけば視界のどこを見ても花火があるような状態に。
記念に写真を撮ろうとしたところ、あまりの大きさに花火が画面に収まらず、写真では伝えきれないほどのスケールでした。辺り一面を埋め尽くすように広がる花火は、まさに圧巻。しっかりと目に焼き付けました。

感動している間に、いよいよフィナーレへ。「いざないの街」と「秋田県民歌」に合わせ、10号割物30連発などの特大スターマインが夜空を彩ります。音楽とともに次々と打ち上がる豪華な花火に、最後まで圧倒されました。
昼花火から夜の競技花火まで、実際に会場でしか味わえない迫力と感動を存分に楽しむことができました。
花火大会は秋にも開催されています。季節を変えて訪れることで、また違った花火の魅力に出会えるかもしれません。ぜひ秋の「大曲の花火」にも足を運んでみてください。
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本記事は筆者の見解・体験に基づくものであり、一部一般的な情報や公開資料を参考にしています。