クラフトリリース
2026.7.29

近代日本を支えた地・栃木県日光市足尾~四季に包まれる、足尾再発見の旅3~

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日光の中心地である日光東照宮から車で約30分、バスで約50分と意外にも近くに位置する足尾は市街地の喧騒を離れた穴場の避暑地でもあります。また2023年には新たにヴィラがオープンし、主にヨーロッパからのインバウンド客に人気を博しています。「足尾再発見の旅」第3弾では、四季をめぐって楽しむ足尾の魅力をお伝えします。

夏の足尾で清涼感を満喫

年々暑さが増すなか、夏の足尾は清涼感のある自然やスポットがいっぱい。足尾銅山観光では坑道から吹き出す天然の冷気も涼やかです。日光東照宮の喧騒や夏の暑さから一歩離れた、知る人ぞ知る避暑地・足尾をご紹介します。

マイナスイオンたっぷりの涼スポット「庚申川」とキャンプ場

庚申川(こうしんがわ)は日光国立公園の一部であり源流部ではブナなどの自然林、中流部は景観が素晴らしい渓谷が連なります。水が非常に美しく、川のせせらぎを聞きながらドライブするだけでも暑さが吹き飛びます。

川沿いには銀山平公園キャンプ場があり、日本百名山「皇海山(すかいさん)」の登山口として、登山のベースキャンプとしても利用されています。新緑や紅葉の四季折々に彩られた風景、満天の星空を満喫でき、庚申川で渓流釣りも楽しむことができます。

庚申川の渓流の涼やかな画像

夏には天の川も。足尾は星空の名所

足尾が星空の名所であることをご存じでしょうか。日光東照宮の陽明門は、東京から見ると真北に位置し、門の中央真上に北極星が輝くことが知られています。足尾からも北極星を中心に星が円を描くのが確認できます。光害のない空に広がる圧倒的な星空は足尾の産業遺産と満天の星が、静謐でノスタルジックな空間を演出します。夏には松木地区や舟石地区で天の川を見ることもできます。

また、夜景の名所として「勝雲山(しょううんざん、しょううんさん)パーキング」が知られています。11月半ばからから関東平野をパノラマで一望でき、羽田や成田発着便が飛び交う光景も見え、デートスポットともなっています。

星空の画像

登山にトレイルラン、歴史と再生の息吹を感じる「聖地」へ

足尾の山々は、今やシニア層の本格的な登山から、流行のトレイルランニングを楽しむ若者まで、世代を超えて愛されるアウトドアの聖地となっています。単に自然を楽しむだけでなく、足尾が歩んできた「歴史のドラマ」を五感で体現できる個性豊かな3つの名山をご紹介します。 

400年前のすべてはここから始まった「備前楯山」

備前楯山(びぜんたてやま)——1610年、備前(岡山)の国の農民2人がこの地で銅を発見したことから、足尾銅山の輝かしい歴史が始まりました。標高1,272メートルで舟石駐車場から往復2時間と初心者やハイカーにも手軽なコースながら、春にはヤシオツツジの美しい群生が山肌を彩り、訪れる人を魅了します。

江戸の物語にも登場する信仰の山「庚申山」

足尾の山々の画像

庚申山は古くから信仰の山として知られ、日光を開山した勝道上人(しょうどうしょうにん)が修行を積んだ場とも伝えられています。有名な「南総里見八犬伝」にも登場する山です。標高は1,892メートルで銀山平キャンプ場駐車場から往復約7時間の行程となります。

煙害を生き抜いた奇跡のシンボル、孤高のブナ「中倉山」

標高1,520メートルの中倉山(なかくらやま)。煙害で多くの山林の植物が枯れてハゲ山となりましたが、1本のブナが力強く生き残りました。緑の稜線にぽつんと佇む姿はいつしか「孤高のブナ」と呼ばれ、自然の生命力の強さと人間の反省を象徴する聖地として、多くの登山客や若きトレイルランナーたちが、この木を目指して足を運ぶスポットとなりました。

季節をめぐって

渋滞の少ない穴場ドライブで四季を楽しむ

日光エリアから足尾へは国道122号線で約30分。紅葉時期でも渋滞知らずで渓谷美に映える紅葉を堪能することができます。春の花々、夏の緑の渓谷、秋の紅葉、そして冬の雪化粧と四季折々の自然が織りなす景色を楽しめます。バスはJR日光駅・東武日光駅発があり(1日6便運行)、所要時間は約50分です。

わたらせ渓谷鐵道~車窓から四季をめぐる旅

わたらせ渓谷鐵道をゆく列車と紅葉の渓谷の画像

トロッコ列車で知られる「わたらせ渓谷鐵道」は、群馬県桐生市と栃木県日光市足尾町を結ぶローカル線。相老(あいおい)駅より足尾の通洞(つうどう)駅までの所要時間は1時間22分。車窓からは、梅や桃や桜、新緑や紅葉など四季折々の草花や雄大な景色を満喫できます。

トロッコ列車は4月~11月までの運行となっており、毎年12月から2月までは「わたらせ渓谷鐵道各駅イルミネーション」が開催されます。17駅のイルミネーションは、地元のボランティアの方々によって飾られます。暗闇に幻想的で神秘的な光景は、冬の澄んだ空気の中に地元の温もりをじんわりと灯し、訪れる人の心を優しく包み込みます。

わたらせ渓谷鐵道各駅イルミネーションの画像

花々が彩る足尾の春、サイクリングで周遊のススメ

桜と鉄道駅の美しい春の足尾の画像

足尾の春は花々に彩られます。中でも桜と駅舎が絵になる足尾駅は、そのレトロな木造駅舎とノスタルジックな風景から、多くの映画やドラマのロケ地として使用されています。

4月は街中に桜が咲き誇り、5月には新緑の薫りに包まれ、ツツジや藤、アカシアの花が鮮やかとなり、秋の紅葉は銀山平公園のモミジが鮮やかです。日光市足尾庁舎でパワーアシスト付き自転車をレンタルして、足尾地域の鉱山施設を自転車で周遊することが可能です。

足尾のローカルフード~炭坑グルメも?!

足尾グルメは、かつて銅山で栄えた歴史を感じさせる「ガッツリ系坑夫たちのローカルフード」と、どこか懐かしく温かい「地元の味」に出会えるのがポイント。

ボリューム満点のローカルフード

わたらせ茶屋の500円ランチの画像

「食事処ないとう」や「植佐食堂」では、足尾ならではのメニュー「ソースカツ丼」を楽しむことができます。カラッと揚がった柔らかいヒレカツに、絶妙な特製の醤油ベースソースがしっかり染み込んだ味。この味が坑夫たちの塩分補給にも一役買ったといわれるエピソードもあるのです。

和食処「川本」ではうなぎをメインにうなぎのたれを使ったとり丼が人気。中国料理「栄山」は、東京・赤坂で長年修業を積んだ店主が営む実力派。看板メニュー「酸辣湯麺」はすっぱ辛い絶妙なスープにファンが多く、遠方からこれを目当てに足尾を訪れる人もいるほどです。

わたらせ茶屋は観光客にも地元の人にも人気の食堂で、メニューは日替わり一択ですが税込500円という驚きの価格。足尾のおばあちゃん達が運営するお店で、冬季(12月〜3月)は休業となりますのでご注意ください。

散策のお供に、食べ歩きグルメと甘味

1906年(明治39年)創業の「ますや肉店」は、足尾が最も栄えていた時代から町の人々の胃袋を支え続けてきました。アツアツの衣にじゃがいもの甘みがホクホクと広がるコロッケは散策のお供に外せません。

安塚菓子店の「あんこ玉」は北海道産の良質な小豆と黒糖、寒天を混ぜてじっくり煮詰めた自家製こし餡を丸めたもので、上品な甘さが特徴の皇室献上品です。「足字銭最中」はお土産にぴったりな定番の一品。かつて足尾銅山で鋳造されていた江戸時代の貨幣をモチーフにした最中です。

化粧品会社の研究員が認定する美肌温泉と宿

足尾には温泉を設ける2つの宿がございます。源泉となる「庚申の湯」はアルカリ性単純泉でお湯につかると肌がつるつるすることから美肌の湯として知られます。化粧品会社の研究員が、温泉を分析したところ、不要な皮脂を取り除くクレンジング効果があることが確認されています。

夕暮れとともに静まりかえる里山を眺める「庚申の湯」

足尾には温泉旅館「足尾の宿 かじか」と「かめむら別館」の2つがあり、「足尾の宿 かじか」の露天風呂からは季節を楽しめ、冬季は雪見風呂に出会えるかもしれません。

「かめむら別館」は小滝地区にある豊かな自然に囲まれた山の中に佇む歴史ある旅館。自然を眺めながらくつろげるお部屋で、窓から覗く季節折々に美しく移ろいゆく自然の眺めとともに、聴こえてくる清流の爽やかなせせらぎや鳥のさえずりを堪能できます。

足尾の宿 かじか荘温泉の画像
かじか荘のおいしそうな食事の画像

インバウンド対応可能な1棟貸しヴィラ「和朗庵」

2023年、足尾に3軒目の新しい宿泊施設が誕生しました。築約100年の日本家屋を活かしてリノベーションした1棟貸しのヴィラ「和朗庵」。約半数は訪日客で、オランダの旅行予約サイトであるBooking.comの「Booking.com Traveler Review Awards 2025、2026」にも選ばれました。和朗庵を開業した都築葉子さんにお話を伺いました。

まちづくりの仕事の原点は足尾

都築葉子さん

足尾で生まれ育ち、学校への道すがら毎日ハゲ山を見て通いました。大学で東京に出て、地元から離れて初めてそれが異常なことだったのだと知ります。実家は「金沢屋」といって食品から雑貨、洋品も扱うよろず商店でした。ところが人口がどんどん減り、お得意さんも減っていきました。

地域医療を支えてきた総合病院も、患者減少と経営悪化で取り巻く環境も厳しさを増しています。「足尾のような町をつくってはいけない」そんな想いがあり、2014年には大学のビジネススクールへ行き、「持続可能な街づくり」は研究テーマにもなり、まちづくりコンサルタントの仕事をすることになりました。その後、地元に貢献できたらという想いでヴィラの開業に踏み切りました。

築100年をリノベーション、日本庭園を

日本庭園

ヴィラは実家の離れを活用しました。離れは築100年くらいですが、伝統的な雰囲気を残しながら水回りは新しくしました。当家屋の基礎は寺社仏閣のようになっているなど、想定外の事実が発覚。予想以上に費用がかかりました。また、最も力を入れたのは庭ですが、試行錯誤を重ね、ようやく完成させました。

バーベキュー施設は元々あった小屋を有効活用しました。食材は持ち込みですが、要望があれば栃木和牛や日光(ひみつ)豚を扱う業者に頼みます。お客様には「こんなにおいしいお肉はじめて」と喜ばれ、地産地消にも繋がっています。

初の海外からのお客様はイギリスのファミリー、インバウンド比率は約半数に 

私は埼玉に在住していますが、要望があれば足尾へ赴きお客様に観光地を案内しています。はじめての海外からのお客様はイギリスのご家族4人で、40代のご両親と小学生くらいのお子さん2人。2泊されました。温泉「足尾の宿 かじか」と野生の猿を見られたことをとても気に入ってくださり、Booking.comに最高の評価を書いてくれたのです。

そこから少しずつ広まっていったのですが、海外の方はレビューを書いてくださることが多いです。2023年12月の創業から現在まで、約半数がインバウンドのお客様となっています。

海外のお客様が求めるコンテンツ

これまでにフランス、スペイン、スイス、イギリス、ドイツ、タイ、台湾等23か国からお越しくださっています。フランス人の方は街並みに「これこそ日本の原風景」とおっしゃり、フィンランドの方は、産業遺産・廃墟に興味をもたれたとおっしゃいます。日本の近代化を支えた産業遺産、公害の歴史を持つ足尾は、これから益々、新たな層の方々に興味をもっていただけるのではないかと思います。

まちづくりコンサルタントをしてきて感じるのは、まちづくりの一番の資源は「ひと」だということです。建物、風情、食事でも誰と会って誰と何をしてもらえたか、街を歩いている人たちのことも心に残ります。日本の近代化を支えた技術や歴史の原点を知ることで、見つめ直し、新たな気づきが内に生まれる足尾には、来た人に訴えかけるものが必ずあるのです。

1棟貸しヴィラ和朗庵の正面玄関の画像

歴史を学ぶ場所から「自分を再生させる場所」へ

3回にわたっての特集「足尾再発見の旅」いかがでしたでしょうか。かつて日本の近代化を支え、公害という深い痛みを経た足尾の町。そこは単に「過去の歴史を学ぶ場所」ではなく、荒廃を乗り越えて力強く芽吹いた緑、満天の星、そして故郷の未来を信じて挑戦を続ける人々の営みが息づいています。

人間の過ちと自然の再生、そして未来へ挑戦する人々の営み。そのすべてが重なり合う足尾の町は、訪れる人自身の心にも静かな変化をもたらしてくれます。あなたも足尾で、自分だけの「再生の物語」を見つけてみませんか。

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もっと知りたいあなたへ  

星降る夜の日光
https://www.star-nikko.org/event.html
日光市公式観光WEB:足尾まるっと1日コース
https://www.nikko-kankou.org/courses/81
NEW DAY, NEW LIGHT.日光:Route.N #5タイムスリップ足尾マップ
https://www.city.nikko.lg.jp/new_nikko/route_n/4037.html
わたらせ渓谷鐵道株式会社:トロッコわたらせ渓谷号
https://www.watetsu.com/train/torokei.php
JAPAN ECO TRACK:足尾サイクリングルート
https://www.japanecotrack.net/activity/1245
スマートワークライフ#NIKKO:【日光ワーケーション特集|足尾】地元民おすすめ!ローカルなランチ・グルメスポット5選
https://smartwl-nikko.jp/workcation-guide/3295/
和朗庵
https://r.goope.jp/warouan/

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