2025.8.13

庶民派焼き魚の代表格「ホッケ」、私たちを魅了するおいしさの秘密を探る

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ホッケといえば、居酒屋の定番メニューとして馴染みの深い方も多いのではないでしょうか。日常的に食べる魚としてとても人気のある魚です。主に干物として食べられ、価格も比較的安価に推移しているため、庶民の味と呼ぶにふさわしいといえます。そんなホッケの魅力に迫ってみましょう。

ホッケとはどんな魚なのか

ホッケを漢字で書くと「𩸽」。これは、幼魚のホッケは体の色が青みをおびて、群れになって泳いでいると花が咲いたように見えるためこの漢字が当てられたといわれており、𩸽は正式な漢字表記となっています。

ホッケは、アイナメ科ホッケ亜科に属する冷水性の魚で、成長にしたがって、アオボッケ、ロウソクボッケ、マボッケ、などと呼び名が変わります。ホッケって、出世魚だったんですね。このホッケ亜科にはホッケとキタノホッケ(通称シマホッケ)の2種が属しています。

ホッケの姿の画像

その生態はというと、ホッケは肉食性の魚で、小型の魚や甲殻類、海底のプランクトンを餌として捕食します。シマホッケはマホッケよりも水深の深い海域を好んで生息しているのだそうです。さらに、根ホッケと呼ばれるものもありますが、これは種類の違うものではなく、回遊魚であるホッケの中で、餌が豊富なエリアに定着したホッケのことを指します。豊富な餌を食べて、大きく太って脂が乗っているため、高級魚として扱われます。

ホッケの主な漁場は茨城県と対馬海峡以北の日本各地ですが、特に北海道や東北地方が主要な産地として知られています。これらの地域で育ったホッケは、冷たい海水で育つため身が引き締まり、脂の乗りが良いのが特徴です。

旬が2回ある?

ホッケの水揚げ画像

一般的には5月から7月頃と11月頃がホッケの旬とされています。これは春から初夏には餌を食べるために集まり、秋には産卵のために集まるためです。特に、北海道で獲れるホッケは、5月から7月にかけて脂が乗っておいしいといわれます。

この他に、シマホッケは6月から9月頃に一番おいしい時期を迎えるそう。味が濃く身が締まったマホッケに比べて少し淡白な味わいながらも、脂の乗りはこちらの方が良いとされています。それが干物には合うとして、シマホッケの方を好む人も多いとか。

冷凍技術と流通網の発達により、旬を迎えたホッケを一年中おいしく食べることも可能な現代。ホッケは新鮮なまま冷凍保存されるため、私たちは季節を問わずホッケの味を楽しむことができているというわけです。

栄養豊富で健康志向のホッケ

ホッケは、タンパク質やビタミンDなどが豊富に含まれる栄養価の高い魚です。タンパク質は筋肉の修復などに役立ちます。可食部分250グラムのホッケには約45グラムのタンパク質が含まれており、これは成人の1日の推奨摂取量(男性65グラム、女性50グラム)にほぼ相当します。また、骨の健康や免疫機能の向上に重要な役割を果たすビタミンDや、赤血球の形成や神経機能の維持に重要なビタミンB12も豊富に含んでいます。

カルシウムもまた、豊富に含まれる栄養素の一つ。含有量は生魚よりも干物の方が圧倒的に多いため、干物として加工されることの多いホッケは、カルシウムの摂取にも適しています。このようにして見ると、ホッケは栄養が豊富で健康的な生活にぴったりのヘルシー食材なのです。

おいしいホッケの干物の選び方

ザルに盛られたホッケの干物の画像

そんな栄養豊富でおいしいホッケ、せっかく食べるならば良いものを選びたいですよね。とはいうものの、ホッケは時間経過による鮮度低下が早い魚で、生のホッケは北海道内でしかほぼ手に入らないため、私たちは日常的には干物に加工されたものを買い求めることになります。

主に冷凍でスーパーなどの店頭に並ぶホッケ。冷凍ホッケを選ぶ際は、解凍後にも水分がきちんと残っているものを選ぶことが大事。見た目にも乾燥しておらず、皮や身が茶色くなっていないものを選びましょう。小骨が毛羽立っていないかもチェック。大きい方が、味が良い傾向にあるとされているので、大きさも選ぶポイントになりそうですね。

ホッケの保存方法と注意点

干物の冷蔵保存の場合は、5日以内に消費するのが理想的です。冷凍の場合は、ラップでしっかりと包み、さらに密閉袋に入れて空気を抜き保存します。ただし最長でも2カ月以内には消費しましょう。冷蔵庫内の温度は4℃以下、冷凍庫内は-18℃以下が適切です。これにより、細菌の繁殖を抑え鮮度を保つことができますが、やはりなるべく早く食べることがおいしくいただく秘訣です。

冷凍したホッケを解凍する際には、冷蔵庫でゆっくりと行うことがポイントです。急速に解凍すると、ドリップが大量に出て、品質が劣化しやすいため注意が必要です。

ホッケの上手な焼き方

ホッケを焼いている画像

ホッケの調理法はいろいろありますが、やはり干物は「焼く」の一択でしょう。しかし、その焼き方にもコツがありますのでご紹介します。

冷凍の干物は、基本的には冷凍のまま焼く方がおいしいとされています。解凍の際にドリップで旨みが流れ出てしまうことがあるからです。しかし、ホッケは身が厚く、グリルなどで焼くにしても時間がかかってしまうため、解凍してから焼く方が良いでしょう。

七輪などで焼けば、とても香ばしくおいしく仕上がるのは当然なのですが、実はフライパンで焼くのもおすすめです。クッキングシートをあらかじめ敷くと焦げ付きにくく、ひっくり返すのも楽で洗い物も少なくて済みます。ホッケは身が大きいのも特徴なので、はみ出してしまう場合は思い切ってカットしてしまいましょう。

まず、身を下にして中火で焼き色がつくまで焼きます。裏返したらフタをして弱火〜中火でじっくりと蒸し焼きのようにします。火が通ったら、フライパン内に水分が残ることがあるので、蓋を開けて水分を飛ばします。

焼き上がったホッケは、お好みで大根おろしやレモンを添えていただきます。シンプルながらも素材の味を引き立てるおいしい焼きホッケの完成です。初心者でも簡単にできるので、ぜひ試してみてください。

ホッケの魅力と楽しみ方

ホッケは、その風味豊かな味わいや高い栄養価から、多くの人々に愛されています。生ホッケを使った刺身や煮物なども、水揚げ地の近くでは楽しむことができますが、やはり干物が身近な食べ方といえます。

健康にも良いホッケ。筋トレやボディメイクをする方にも実はおすすめの食材かもしれませんね。そして、お酒を嗜む方々は、やはり居酒屋などで注文したくなるはず。この記事を読まれた後には、ますます食べたくなっているのではないでしょうか。ぜひ今晩、おいしいホッケを味わってください。

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もっと知りたいあなたへ

北海道ぎょれん
https://www.gyoren.or.jp/
食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10246_7

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