2025.4.21

「寿長生の郷」からの美味到来 〜叶 匠壽庵「あも」と「標野」〜

「叶 匠壽庵」とは?  滋賀発の和菓子ブランド

1958年創業の「叶 匠壽庵(かのう しょうじゅあん)」は、素材にこだわり日本の伝統的な和菓子を提供しています。本拠地は滋賀県大津市にあり、和菓子の製造だけではなく、「寿長生の郷(すないのさと)」という、まるでひとつの集落のような和菓子の里を運営しています。
約6万3千坪もの広大な敷地には、工房をはじめ、農園や茶室、懐石料理や地元食材を楽しめるレストラン、甘味処の茶房、カフェ併設のパン工房などが点在。四季折々の風景とともに、和の魅力を存分に味わえる空間が広がっています。
6万坪といえば、東京ドーム約1個分。それよりも広いと考えると、想像するだけでワクワクしますね! 北海道から九州まで店舗を展開し、本社工房で丹精込めて作られた和菓子が全国へ届けられています。

素材へのこだわり

叶 匠壽庵の和菓子作りにおいて、素材選びは最も重要な要素のひとつ。「菓子づくりの原点は農業から」という考えのもと、自然の恵みを最大限にいかしています。自社農園では、和菓子に使うウメやユズのほか、お米やトウモロコシなども栽培しています。

ウメについて

自社農園で栽培されている「城州白(じょうしゅうはく)」は、希少なウメの品種。
創業者・芝田清次氏が菓子に適したウメを求めて巡り合い、寿長生の郷でも栽培が始まったのだとか。果肉が厚く、大粒で、芳醇な香りが特徴です。

希少な「丹波大納言小豆」

「あも」に使われるアズキは、国内流通の1%にも満たない高級品「丹波大納言小豆」。
大粒で皮が薄く、口当たりがやさしいのが特徴です。職人が手間を惜しまず細かく選別されたアズキは手炊きで炊き上げられ、和菓子の味の決め手となる餡が作られます。
餡作りは非常に繊細。季節ごとに火の入れ方はもちろん、冷まし方までも細かく調整しているそう。まさに職人技といえるハイレベルな技術ですが、全国に店舗を構える和菓子店の中で、自社で手炊きを貫く企業はとても珍しいのです。

ここまで、叶 匠壽庵の魅力についてお伝えしてきました。
叶 匠壽庵が生み出す和菓子が、いかに丁寧に、そして想いを込めて作られているかが伝わったのではないでしょうか。
今回は、代表銘菓「あも(小豆・桜)」と「標野(しめの)」を実食レビューしていきます!

代表銘菓あも(小豆・桜)

私は今回初めて食べたのですが、まずそのずっしりとした重さに驚きました! 箱も重厚感があり、目上の方や大切な方へのギフトとしても喜ばれそうです。
季節限定の味も楽しめ、2月~4月には「桜」が登場します。ほかにも「栗」「柚子」「くるみ」など、季節ごとの味わいが展開されます。毎回買いに行きたくなりますね!

「あも」とは?

餅を意味する女房言葉が由来。昔、宮仕えの女性たちは、餅を「あも」と呼んでいたそうです。そのやわらかい響きが、このお菓子にはぴったりだと感じました。

あも(小豆・桜)

実際に食べてみると、中の餅が思った以上にやわらかく、とろっとしていて、まわりの餡との相性が抜群! 上品な甘さで、後味は優しく、まったくしつこくありません。
季節限定の「桜」は、ひとくち食べるとふわっと桜の香りが広がります。中の餅には、塩漬けした桜葉が刻まれており、その香りが一層際立ちます。この時期にしか味わえない春の味わいは、ぜひ試してみてほしい一品です。

標野

まず、この美しい色に心奪われます。こちらはウメのゼリーですが、ただのウメゼリーではありません!
鮮やかな赤色の正体は、「露茜(つゆあかね)」という、スモモとの交雑で生まれた珍しいウメ。実も皮も赤い露茜を、城州白と組み合わせることで、着色料を使わずに美しい色合いを生み出しています。
ウメの風味がとても爽やかで、後味はさっぱり。焼酎が使われているので、お酒の余韻もほんのり感じられます。食後や他のスイーツの〆にもぴったりで、口の中がリセットされるような感覚!
甘いものが苦手な方やお酒を飲む方にも喜ばれそうなギフトです。

まとめ|素材、技、空間がそろう叶 匠壽庵の魅力

今回はあも(小豆・桜)と標野をご紹介しました。どちらも素材の持ち味を最大限にいかした、職人の誇りが感じられる一品。和菓子の世界は本当に奥が深いですね。
叶 匠壽庵の魅力は、和菓子そのものだけでなく、生産者の背景や素材への想いにも詰まっています。農業、季節、空間といったストーリーまで含めて味わいたいもの。
寿長生の郷は、滋賀県を訪れた際にぜひ立ち寄ってみたいスポットになりました。みなさんも近くに行かれた際は足を運んでみては? 和菓子の魅力が五感で楽しめる、特別な体験になりますよ。