2025.8.28

信州名物「うすやき」を「松本かえるまつり」のおやつにどうぞ

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信州名物の「おやき」といえば、すでに全国でその名を知られている感がありますが、おやきと同じく信州の伝統的な「おこびれ」である「うすやき」のことは、ご存じない方が多いのではないでしょうか。

まず、おこびれとは長野県の方言で、主に農作業の合間に食べるおやつや間食のことを指します。おにぎりやおやきなどの軽食で、朝食と昼食の間、昼食と夜食の間などに食べるものにも使われます。「小昼(こびる)」が訛ったものとされ、「(お)こひる」「(お)こびり」など、地域によって若干言い方が異なる場合もあります。

長野県の郷土料理として有名な「おやき」は、小麦粉や蕎麦粉を水でこねた皮で、あんこや野沢菜などの季節の恵みを包み、蒸かしたり揚げ焼きにしたりして食べるものです。まんじゅうのような形をした長野県のソウルフード、お土産や食べ歩きのおすすめとして、駅の売店やコンビニエンスストアなどにも置かれています。おやきについては別の記事でも詳しく紹介していますので、興味がある方はぜひお読みください。

炉裏の記憶に包まれて〜灰焼きおやきと信州の風景〜

くらかけ豆のうすやきが盛られた画像

一方「うすやき」は、小麦粉や蕎麦粉を水や卵で溶いたベースに、ニラやナスなどの季節の野菜や煮豆、リンゴなどを具材として混ぜ、フライパンで両面を焼き上げるものです。見た目はパンケーキのような軽食で、家庭や地域ごとに違う形をしていて、「せんべい」と呼ばれることもあります。

この知られざる伝統食うすやきを気軽に楽しめるお店が、長野県松本市にあります。国宝・松本城の東寄り、女鳥羽川(めとばがわ)沿いの「うす焼きカフェ 豆まめ」です。毎年6月に「松本かえるまつり」が開催される縄手(なわて)通りにも近く、観光の合間に立ち寄りやすい場所にあります。

カエル好きが集まる「松本かえるまつり」とは

かえるのオブジェ

ここで、まずは「松本かえるまつり」についてお伝えしておきましょう。

突然ですが、全国には多くのカエル好きが存在しています。カエル柄の雑貨など、見かけたらついつい財布の紐が緩んでしまう、という方も多くいるのではないでしょうか。筆者もその1人なのですが、そんなカエル好きが集まるお祭り、その名も「松本かえるまつり」が松本市で年に一度開かれています。

松本市の市街地を流れる女鳥羽川に沿って存在するのが縄手通り。ここにはなわて通り商店街があります。

その昔、女鳥羽川には清流にしか生息しないカジカガエルがたくさん棲んでいましたが、近年は姿が見られなくなってしまいました。そこで1972年(昭和47年)に、街がもっと栄えるように、そして当時は汚れた川となっていた女鳥羽川に再びカジカガエルが戻ってくるように、との願いを込めて、商店街の人々がなわて通り商店街に小さな祠を建て「カエル大明神」をお祀りしました。

その後、川も整備されて水遊びができるほど水も綺麗になり、「カエル大明神」のお祭りとして2002年に「松本かえるまつり」が始まりました。コロナ禍の2年間は開催が見送られたものの、2025年は第22回として6月8日に行われ、多くの人で賑わいました。

商店街のお店だけでなく、カエルグッズなどを制作する「カエル作家」さんたちのマーケットも開かれ、2025年は過去最大の60店舗が参加する活気あるお祭りになりました。その他にも、子どもたちがカエルの扮装をして商店街のお店を訪ねる「ケロウィン」や、それぞれに趣向を凝らしたカエルファッションで来場する人たち(かえるまつりへの来場者を「カエラー」と呼ぶ)を参加者に迎え、No.1を決める「カエラーコンテスト」といったイベントも行われるなど、年々その規模を拡大しています。

松本市をホームタウンとするサッカークラブ「松本山雅FC」のマスコットキャラクター・ガンズくんや、愛媛県出身のカエルキャラ一平くんも登場して会場を盛り上げていて、全国のカエラーのパワーとカエル愛に圧倒されるお祭りとなっています。

うすやきの魅力は昔ながらの味わい

話をうすやきに戻しましょう。今回ご紹介したお店、豆まめのうすやきの具材には、花豆やえごまなど、店主が自ら育てた季節の野菜がふんだんに使われています。

昔ながらのレシピで作られる、ほのかな醤油や味噌味の香ばしいうすやきのほか、チーズやチョコレートを使った洋菓子風の味つけの現代版うすやきまで、アイディア豊富な数十種類の中から、季節にあわせた5~6種類が店内に並んでいます。その他にもおなかに優しい野菜スープや、コーヒー、ジュースなども充実しており、ドリンクなどと一緒にうすやきを楽しむことができます。

豆まめの店頭の看板の画像

小さなお店なので、縄手通りのイベント時などには満席ということもありますが、もともとうすやきは農作業中のおやつとして食べられていた「おこびれ」です。テイクアウトでも持ち運びしやすく食べやすいよう個包装になっているので、街歩きや山歩き、サイクリングのお供にもちょうどよい一品です。

「松本は遠いよー」という方もご安心を。豆まめではオンラインショップで冷凍のうすやきも販売しています。なんと、使う具材を相談してリクエストすることもできるそうですから、自分好みの味を見つけるのも楽しいかもしれません。素朴な味の長野のおやつを、秋の行楽シーズンに味わいに行かれるのはいかがでしょうか。

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もっと知りたいあなたへ

松本市公式観光情報 新まつもと物語
https://visitmatsumoto.com/
松本かえるまつり公式サイト(インスタグラム)
https://www.instagram.com/nawatekaeru/
たべみごろ信州(長野商工会議所)
https://www.nagano-cci.or.jp/localdish/recipe/usuyaki.html
うす焼きカフェ豆まめ
https://www.usuyaki-mamemame.jp/

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