抹茶から始まる持続可能な未来。静岡発、世界へ〜抹茶、世界の波に乗る〜

ここ数年、抹茶が世界中で大ブームなのはご存知だろう。特にこの10年ほどの間で、世界的に健康志向が高まる中、アメリカやヨーロッパを中心に「抹茶ラテ」や「抹茶スイーツ」が大人気!ミレニアル世代を中心に、SNS映えする緑のスーパーフードとして注目されている。
その結果、日本の抹茶輸出量は過去10年で2倍以上に増加。まだまだ止まることがない抹茶市場の熱気。そのブームの立役者として知られるHattori Tea Farm(株式会社流通サービス)を取材した。
茶畑から世界へ ~Hattori Tea Farmの挑戦~

静岡県菊川市にあるHattori Tea Farmは、世界的な抹茶ブームの波に乗るだけではなく、その先頭を切って走っている存在。創業100年以上の伝統を持つ静岡の老舗茶問屋の四代目・服部吉明さんのリードで現代的な進化を遂げている。
茶どころ静岡県の豊かな自然に育まれた菊川市の広大な茶畑では、無農薬・無化学肥料による有機栽培が徹底されており、特に土壌作りに力を入れている。茶の木が健康に育つための土壌改良や微生物活用など、最新の技術と伝統的な知恵を融合させた取り組みが行われている。
茶畑ソーラー ~環境への挑戦~

Hattori Tea Farmが特に力を入れているのが「茶畑ソーラー」という取り組み。これは茶畑の上部にソーラーパネルを設置することで、農業とクリーンエネルギーを組み合わせる試みだ。このシステムによって、茶畑の生産効率を維持しながら、発電した電力を自社の運営に活用している。現在では、茶の製造工程全体にこのクリーンエネルギーを活用しており、将来的には完全なオフグリッド化、電力の自給自足を目指している。
また、この取り組みは地域活性化にも貢献。近隣の農家や自治体とも協力し、持続可能なエネルギー活用のモデルケースとしても注目を集めているのだ。
有機栽培とグローバル展開

もちろん、Hattori Tea Farmのすごさは環境への配慮だけではない。無農薬・無化学肥料で育てられた有機栽培の抹茶や煎茶は、厳しいことで知られる欧州の基準をクリアする高品質。さらに「GABA玉露」や「萎凋かおり茶」など、ちょっとユニークなお茶も展開していて、海外でも絶賛されている。
2022年には志を共にする企業とタッグを組んで、東京・高田馬場に直営の抹茶モンブラン専門店「茶々工房」をオープン。その後、浅草に2店舗、鎌倉にも店舗を構え、2024年にはカザフスタンでフランチャイズ展開まで実現する躍進ぶりなのだ。そして2025年には、北米や欧州のフードショーへも積極的に出展。世界に打って出る戦略に余念がない。
現在、Hattori Tea Farmは世界16カ国に抹茶を輸出中。その中でも、アメリカやヨーロッパを中心とした市場では、健康志向の高まりとともに日本茶への関心が急増している。SNSでの発信力を活用し、現地の消費者と直接つながることで、抹茶文化の普及に一役買っている。
環境保全と地域貢献、そして高品質な製品作り——Hattori Tea Farmはこの三拍子揃った企業として、今後も日本茶業界をリードし続けるはず。これからの活躍を注目していきたい、日本を代表するティーファームだ。
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もっと知りたいあなたへ
服部ティーファーム
https://hattori-tea-farm.jp/