2025.5.27

傘を片手に紫陽花を愛でる雨の日散歩のススメ(関西地方版)

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雨が似合う花といえば、紫陽花(あじさい)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。雨に濡れてなお美しく、むしろ雨の中でこそ、その魅力が際立つのが紫陽花。晴れの日にはない幻想的な表情を見せてくれます。

今回は、歴史ある社寺や四季折々の庭園や植物園など、関西地方で楽しめる「紫陽花散歩」スポットをご紹介します。ぜひ傘を片手にしっとりとした時間を楽しんでみてください。

大和国長谷寺(奈良県桜井市)

奈良長谷寺の紫陽花回廊を花が埋め尽くす画像

奈良の「花の御寺(みてら)」として知られる長谷寺は、牡丹や紅葉が有名ですが、初夏には山肌を彩る数千株の紫陽花も見事です。登廊(のぼりろう)と呼ばれる399段の回廊を登りながら、左右に咲き誇る紫陽花を見渡せば、雨に濡れた花々の奥ゆかしさに心が和みます。登廊は屋根があるので、ここでは傘いらずでゆっくりと花を楽しむことができます。

山の中腹に位置する本堂からは大和三山を望むことができ、雨に霞むその景色もまた格別。6月中旬〜下旬には「あじさいまつり」も開催され、写経体験や特別祈祷も行われます。

参道では名物の「草餅」や「そうめん・にゅうめん」などが味わえるお店もたくさんあり、食後には地元産の吉野葛を使った葛きりで涼やかにひと休みするのもおすすめです。

最寄駅:近鉄大阪線 長谷寺駅から徒歩15分
拝観料:大人500円

三室戸寺(京都府宇治市)

三室戸寺の赤い山門と色とりどりの紫陽花の画像

「花の寺」として四季を通じて多くの花が咲く三室戸寺は、6月には西日本屈指の紫陽花の名所になります。約50種、2万株の紫陽花が広がる「あじさい園」は、まるで花の海のよう。青・紫・ピンクといった多彩な色彩が、雨に濡れてさらに鮮やかに浮かび上がります。

特に人気なのが「ハート形の紫陽花」。見つけると恋愛運がアップすると言われており、SNSでも話題に。夜間ライトアップが行われる日もあるので、幻想的な雰囲気を味わいたい方にはおすすめです。

三室戸寺ハートの紫陽花の画像

参道周辺には抹茶スイーツのお店も多く、紫陽花鑑賞の後は宇治抹茶パフェやかき氷でひと息入れるのもお楽しみの一つ。

最寄駅:京阪電鉄 宇治線 三室戸駅から徒歩15分
拝観料:大人1,000円(あじさい園開園時)

万博記念公園(大阪府吹田市)

大阪万博記念公園の遠景画像

太陽の塔で知られる万博記念公園では、6月になると「自然文化園」内のあじさいの森※にて、約4,000株の紫陽花が一斉に咲き誇ります。広々とした敷地の中、遊歩道に沿って色とりどりの紫陽花が咲き並ぶ様子は、都会の喧騒を忘れさせてくれる癒しの空間です。

特に雨の日は、木々の緑がより一層深くなり、紫陽花の色合いも濃く映えるため、写真愛好家にも人気のスポット。見頃は6月上旬から下旬にかけてで、期間中は「万博記念公園あじさい祭」も開催されます。

万博記念公園の紫陽花の画像

公園内には日本庭園や自然観察学習館もあり、散策だけでなく学びの時間も楽しめるのが魅力。また、万博おもしろ市場やエキスポシティが隣接しているため、グルメやショッピングも満喫できます。

最寄駅:大阪モノレール 万博記念公園駅から徒歩5分
入園料:大人260円、小中学生80円(自然文化園・日本庭園共通チケット。公園内のその他の施設は別途料金がかかります)

※あじさいの森は改修工事中、2025年6月7日(土)より公開予定

補陀洛山華観音寺(京都府福知山市)

華観音寺の山門と鮮やかな紫陽花の画像

京都府福知山市にある観音寺は、関西でも有数の紫陽花の名所として知られ、「あじさい寺」とも呼ばれています。境内や山の斜面に100種、約1万株以上の紫陽花が咲き誇り、6月中旬から下旬にかけて一面が青・紫・白・ピンクの幻想的な花の世界に包まれます。その様子は花浄土と呼ぶにふさわしい佇まいです。

観音様の霊力で眼病が治り、再び光明を得たお礼にと、七色に変化する光の花紫陽花を数本植樹されたのがあじさい寺のはじまりなのだそう。 

1300年といわれる歴史ある静かな寺院の佇まいと、石段や池を彩る紫陽花が美しく調和し、雨に濡れた日にはしっとりとした風情がいっそうきわ立ちます。その静寂と美しさに心を癒されることは間違いありません。

また、観音寺は国指定重要文化財の仏像など文化財を多く所有しており、本堂や鐘楼・山門も江戸時代の建物で京都府文化財指定を受けているなど、紫陽花以外にも見どころがたくさんあります。雨の日にゆったりと花を愛で、歴史に思いを馳せるのはいかがでしょう。

最寄駅:JR山陰本線 石原駅から徒歩15分、JR福知山線 福知山駅からバス15分、観音寺バス停から徒歩10分
入山料:無料(紫陽花の見頃時期は志納金歓迎)

雨の日こそ、紫陽花と心の余白を

梅雨の時期は、空模様とともに心もどんよりしがち。でも、そんな雨の日だからこそ、紫陽花の静かな美しさに触れて、自分の心に少し余白をつくってみませんか?

しっとりと濡れた花びらと雨音のハーモニーが、あなたを癒してくれるはずですよ。

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もっと知りたいあなたへ

大和国長谷寺
https://www.hasedera.or.jp/
三室戸寺
https://www.mimurotoji.com/
万博記念公園
https://www.expo70-park.jp/
補陀洛山華観音寺
https://www.tanba-ajisaidera.com/

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