秋の絶景を探しに行こう!関東のおすすめ紅葉スポットと楽しみ方
猛暑・残暑の影響でつい最近まで半袖で過ごしていた気がしますが、数日でグッと秋が深まり、街路樹や公園の木々が色づき始めました。今年も「紅葉狩り」の季節の到来です。街中でも銀杏の実が落ち、あの独特な匂いを感じることが増えてきたのではないでしょうか。紅葉狩りは、お花見と並び季節の変化を実感しながら自然に触れる機会として、多くの人に親しまれている日本的な行事。今回は紅葉狩りの基本や関東近県のおすすめスポットなどをご紹介します。
紅葉狩りの基本——なぜ秋に葉は色づくのか
紅葉は、気温の低下と日照時間の短縮によって葉の中の色素が変化することで起きるそうです。緑色のクロロフィルが分解され、赤や黄色の色素が目立つようになるのだとか。気温が急激に下がると鮮やかな色が出やすく、晴天が続くとより美しく色づく傾向があるといわれています。関東地方では、例年10月下旬から12月上旬にかけてが紅葉の見頃。標高や地形によって時期が異なるため、事前に各地の紅葉情報を確認するのがおすすめです。
関東地方のおすすめ紅葉スポット一覧
関東地方には、自然豊かな山間部から都市近郊の公園まで、日帰りで訪れられる名所が数多くあり、地域ごとの特色を感じながら紅葉を楽しめます。地域別の代表的なスポットと見頃時期の目安をご紹介しましょう。
東京都

・高尾山(八王子市)――11月中旬から12月上旬
都心から電車で約1時間というアクセスも魅力的な高尾山。登山道沿いや薬王院周辺ではモミジやイチョウが色づく。ケーブルカーを利用すれば初心者でも気軽に登山が楽しめ、山頂からは谷いっぱいに赤く染まる鮮やかな紅葉を望むことができる。
・六義園(文京区)――11月下旬から12月中旬
駒込駅からほど近い場所にある江戸時代の回遊式庭園である六義園(りくぎえん)。紅葉が見頃を迎える11月下旬には、庭園のライトアップも行われ、夜の紅葉が幻想的な姿を見せる。都心にありながらも静かな時間を過ごせるのが魅力。
神奈川県

・箱根(足柄下郡箱根町)――10月下旬から12月上旬
芦ノ湖周辺や強羅公園など、多数の紅葉狩りスポットを有する箱根は、標高の高い場所から低い場所へと順に色づくので見頃期間も長い。箱根ロープウェイから見下ろす大涌谷の紅葉は火山活動の噴煙と重なるとどこか幻想的ですらある。温泉とセットで訪れる人も多い人気エリア。
・大山(伊勢原市)――11月中旬から11月下旬
ケーブルカー沿いや大山寺・大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)周辺が紅葉の名所。大山寺に向かう参道の階段両脇に連なる真っ赤なモミジが有名で、大山寺は別名「もみじ寺」とも呼ばれる。
埼玉県

・長瀞(秩父郡長瀞町)――11月上旬から11月下旬
岩畳と紅葉のコントラストが美しい埼玉屈指の景勝地である長瀞(ながとろ)。ライン下りをしながら眺める紅葉も人気。紅葉の見頃期間には「長瀞紅葉まつり」も開催され、町全体に季節の移ろいに心を馳せる風習が根付いている。
・武蔵丘陵森林公園(比企郡滑川町:ひきぐんなめがわまち)――11月下旬
東京ドーム約65個分の広大な敷地を誇る国営公園。各所で紅葉を楽しめるが、中でも約20種500本のカエデが集まるカエデ園は、11月後半に見頃を迎える人気スポット。小さな子どもから大人まで楽しめる数々の施設やアクティビティが用意されているので、家族連れにも人気。
千葉県

・養老渓谷(市原市・夷隅郡大多喜町:いすみぐんおおたきまち)――見頃:11月下旬から12月上旬
ハイキングのメッカといわれる養老渓谷(ようろうけいこく)では、渓谷沿いの遊歩道や展望台など、さまざまな場所から紅葉を眺めることができる。滝と紅葉の組み合わせは写真映えする撮影スポットとして人気が高い。
・成田山新勝寺(成田市)――見頃:11月中旬から12月上旬
初詣で有名な成田山新勝寺、実は美しい紅葉を望めるスポットでもある。大本堂の奥にある成田山公園では広大な敷地でクヌギやナラ、イチョウの木など約250本が色づきを見せる。
栃木県

・日光(日光市)――見頃:10月中旬から11月下旬
言わずと知れたいろは坂や東照宮、中禅寺湖周辺など、名所が多数。標高が高いため、関東の中では早めに紅葉が始まる。露天の温泉に入りながら、渓谷沿いの紅葉を眺めるのはまた格別。なおこの時期のいろは坂は渋滞に巻き込まれる覚悟が必要。
・那須(那須塩原市・那須郡那須町)――見頃:10月上旬から11月下旬
茶臼岳や那須岳周辺など、広範囲で美しい紅葉が見られる。近隣の温泉地とあわせたドライブコースとしても人気が高い。本州最大規模のワイヤー式吊り橋である「もみじ谷大吊橋」からは、水面に映える赤や黄色の木々を見ながら空中散歩を楽しむことができる。
群馬県

・谷川岳(利根郡みなかみ町)――見頃:9月下旬から10月下旬
日本百名山の1つである谷川岳は、切り立った岩肌に紅葉のコントラストがよく映える。山頂まで続くロープウェイに乗って、色づいた美しい山並みを眺めるのもまた良いもの。
・伊香保温泉(渋川市)――見頃:10月下旬から11月上旬
有名な石段街を登り切り、頂上にある伊香保神社のさらに奥、伊香保温泉の湯元付近にかかる河鹿橋(かじかばし)が有名な紅葉スポット。見頃の時期にはライトアップも行われ、橋と紅葉の赤、夜空の青が幻想的な風景を作り出す。
紅葉狩りをより楽しむためのポイント
紅葉狩りは、自然の中で季節を感じるだけでなく、地域の文化や食も同時に楽しむとその魅力は倍増します。地元の名物料理や温泉と組み合わせることで、より充実した時間を楽しむことができるでしょう。注意点としては、紅葉のピーク時期は混雑が予想されるということ。午前中の訪問や平日の利用がおすすめです。また、山間部では気温が低くなるため、防寒対策を忘れずに。自然が多くなればなるほど、落ち葉で滑りやすい場所も増えるので、歩きやすい靴で安全に楽しみましょう。
地元で気軽に楽しめる紅葉スポットのすすめ
遠方の名所だけでなく、地元の公園や神社でも紅葉を楽しめる場所は多数あります。こうした身近な場所での紅葉狩りは、移動の負担が少なく、気軽に季節を感じることができるだけでなく、地域の人々が守ってきた自然に触れることで、地元への愛着も深まります。慣れ親しんだ地元の街並みが色づき、いつもとは異なる表情を見せる紅葉シーズンは、自分の住む街の新たな魅力を見つけるチャンスでもあるのです。
紅葉狩りは季節と地域を知るきっかけ
紅葉狩りは、自然の美しさを楽しむだけでなく、地域の魅力を再発見する機会でもあります。関東地方には、都心からアクセスしやすい紅葉スポットが数多くあり、日帰りでも十分に楽しめます。
季節の移ろいを感じることで、日常の中に小さな余白が生まれる。紅葉狩りは、そんな余白を見つけるための身近で豊かな旅なのかもしれません。まずは近所の公園の散策から始めてみるのはいかがでしょうか?
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もっと知りたいあなたへ
公益財団法人東京都公園協会 「公園へ行こう!」 六義園
https://www.tokyo-park.or.jp/park/rikugien/index.html
雨降山 大山寺
https://oyamadera.jp/
(一社)長瀞町観光協会 公式ウェブサイト ながとろ
https://www.nagatoro.gr.jp/
国営武蔵丘陵森林公園
https://www.shinrinkoen.jp/
養老渓谷観光協会
https://www.youroukeikoku.com/
大本山 成田山新勝寺
https://www.naritasan.or.jp/
日光市公式観光WEB 「日光旅ナビ」
https://www.nikko-kankou.org/
一般社団法人 那須町観光協会 オフィシャルサイト 「那須町観光ガイド」
https://www.nasukogen.org/
渋川伊香保温泉観光協会
https://www.ikaho-kankou.com/