2025.4.17

福島・会津のかわいい縁起物をもっと楽しむ 〜アカベコランド〜

「赤べこ」は、福島県会津地方に伝わる郷土玩具、赤い牛の張り子人形です。この赤べこを、「見て・学んで・楽しむ」ために会津若松に2024年4月に開設されたのが、その名も「アカベコランド」。現代的でユニークなキャラクターを使い、訪れる人に赤べこを身近に感じ楽しんでもらえるよう、さまざまな取り組みをしています。

赤べこってどんなもの?

まず、その「赤べこ」について。その起源は400年以上前にさかのぼるとされ、諸説ありますが、1611年に会津地方を襲った大地震で、河沼郡柳津町も大被害を受けました。この大地震で圓蔵寺の虚空蔵堂も倒壊してしまいます。1617年に現在の場所である岩の上に再建されましたが、そのための木材を岩の上まで運ぶのには大変な苦労がありました。

その時に現れた赤毛の牛の群れが運搬を助けたため、虚空蔵堂が再建されたのでした。この牛を「赤べこ」と呼び、福を運ぶ「赤べこ」として多くの人に親しまれるようになったという伝説があります。

赤べこは、赤色が魔除けの力を持つとされ、病気や災厄を避ける子どものお守りとして広く浸透しました。また、首が揺れる仕掛けは、子どものおもちゃとしても人気があり、特に天然痘が流行していた時代には、赤べこが病気にかかっても重くならないようにと子どもに贈る風習があったそうです。赤べこは会津地方の家庭で大切にされ、今では福島県の象徴的な民芸品となっています。

「見て・学んで・楽しむ」

会津若松市、名所の会津さざえ堂の近くにある「アカベコランド」は、赤べこの魅力を存分に体感できる観光施設です。施設内には、職人による赤べこの制作工程を見学できるコーナーや、赤べこに絵付け体験ができるワークショップが用意されています。

職人の手作業で一つ一つ丁寧に作られる赤べこは、伝統工芸の素晴らしさ・温かみを目の前で感じることができますし、絵付け体験は自分だけのオリジナルの赤べこを手にするチャンスです!

絵付け体験を楽しんだ人たちは「自分の子どもがこんなに集中して色塗りしているのも珍しかったし、意外にも筆が上手だったりといろいろ発見があった!」と話してくれました。色とりどりに模様を描いた赤べこを手に、SNS時代にふさわしくフォトスポットに集まって撮影を楽しんだりされていて、見て愛でるだけでなく、自分の手で作ることが伝統文化への関心を高めるよいきっかけになるのだと感じました。

「赤べこ絵付け体験」について、もう少し詳しくお伝えしましょう。
参加者は真っ白な張り子に自由に絵を描き、自分だけのオリジナル赤べこを作ることができます。伝統の赤はもちろん、参加者の個性でさまざまに色付けされた「べこ」達には斬新なものもたくさん!修学旅行生や地元の小学生向けの絵付け体験も行っていて、アカベコランド公式のInstagramに続々とオリジナル作品が投稿されていますので、チェックしてみると参考になるかもしれません。自由な発想で施された絵付けは、なかなか見応えがありますよ。

アカベコランドでは、体験や見学だけでなく、展示から赤べこの歴史や豆知識などを学ぶこともでき、赤べこの文化的背景を深く理解することができます。アカベコランド自体、内装やキャラクターデザインもオシャレでとんがった表現になっていて、若い世代からも注目を集めるスポットになっています。

ご当地土産や名産品も一緒に

ショップエリアでは、さまざなサイズやデザインの赤べこが販売されており、記念に購入するのも楽しいものです。カラフルにペイントされた現代風の赤べこや、地元の人が「福島といえばコレ!」と思っている「酪王カフェオレ」をはじめとした酪王乳業の限定デザインの赤べこ、透明なミニミニベコなどが売れ筋商品として並んでいました。

こちらでは、赤べこだけでなく、会津をはじめとする福島県各地の名産品も数多くお土産として取り扱っています。「いかにんじん」などのよく知られた郷土料理から、それをアレンジした変わり種まで面白いものに出会えるかもしれません。また、折々に地元のおいしいキッチンカーも登場するとのことで、文化もグルメも両方楽しめるのは嬉しいですね。

赤べこの歴史や文化を体験し、仲間や家族で楽しめる新しい観光スポット「アカベコランド」。新たに2025年3月に七日町店もオープンし、現在は2つの場所で赤べこを楽しむことができます。七日町店はショップの横にある蔵の中で絵付け体験ができるそう。伝統的な蔵の中は、現代的でおしゃれな空間になっていて素敵な雰囲気です。

会津若松市を訪れたら、自分だけの赤べこに会いにアカベコランドを訪れてみるのも旅の素敵な思い出になりそうです。

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もっと知りたいあなたへ

アカベコランド https://akabekoland.com/