2025.4.15

青森発の希望の成分 〜あおもりPG(プロテオグリカン)〜

「あおもりPG(プロテオグリカン)」は、青森県の地域資源を活用しながら生まれた健康成分です。かつては希少成分といわれ注目されながらも、当時の抽出技術が追いつかず、なかなか一般に利用することが困難だったのですが、地域の学府の研究成果によって広く普及するきっかけが生み出されました。

郷土料理から発想を得て生まれた技術

プロテオグリカンという成分は1970年に発見されて命名され、その当時から注目される成分でしたが、当初の抽出方法では牛由来のプロテオグリカン1gが3,000万円ともいわれるほど非常にコストが高く実用化には至りませんでした。

その後、2000年に弘前大学の研究により鮭の鼻軟骨から酢を使って抽出する安全な抽出技術が確立され、その後2003年に青森県の株式会社角広によって低コストかつ効率的にプロテオグリカンを取り出すことができるようになりました。この技術革新により、プロテオグリカンがさまざまな用途で利用できるようになり、青森の地場産業の新たな希望の星として注目を集めることになりました。現在では、食品、化粧品、健康サプリメントなど幅広い分野であおもりPGが活用されています。

あおもりPGの組成と特徴

プロテオグリカンは、主に糖鎖とタンパク質から構成される成分で、人体の関節や皮膚に多く存在します。その最大の特徴は「高い保水力」にあります。ヒアルロン酸と同等、もしくはそれ以上の保水力を持つとされており、わずかな量で大量の水分を保持することができます(グラフ出典:あおもりPG推進協議会Webページより)。

さらに、プロテオグリカンは、細胞の成長を促進する効果や抗炎症作用を持つことが研究によって明らかになっています。これにより、皮膚の弾力性を高め、関節の痛みを和らげる効果が期待され、健康と美容の両面で注目を集めています。

あおもりPGのもう一つの特徴は、天然由来であることです。弘前大学の研究の基となった郷土料理「氷頭なます」と同様に青森産のサケと酢を原料とするため、環境にも優しく、安心して利用できる成分として評価されています。このような特性が、あおもりPGの製品展開において大きなアドバンテージとなっています。

あおもりPGを活用した応用製品

あおもりPGの特性を活かした製品は、多岐にわたります。その代表例が化粧品です。保湿力の高さから、スキンケア製品としての利用が進み、化粧水、クリーム、フェイスマスクなど、さまざまな商品が市場に登場しています。これらの製品は、肌の乾燥を防ぎ、ハリとツヤを与える効果が期待されており、特に乾燥が気になる冬場に需要が高まります。

また、健康食品やサプリメントの分野でもあおもりPGは注目されています。関節痛や軟骨の再生をサポートする機能が期待され、ロコモティブシンドロームに陥らないための、高齢者向けのサプリメントとして多くの製品が販売されています。運動機能の向上や生活の質の改善を期待して、中高年の消費者からの関心が高まっているようです。

さらに、食品業界においてもプロテオグリカンが利用され始めています。保水力を活かし、肉のジューシーさを保つ加工食品や、健康志向のドリンクに配合されることも増えています。こうした取り組みは、健康とおいしさの両立を目指す食品メーカーにとって新たな価値を提供するものとなっています。

地域の特産物である鮭(の鼻軟骨)を活用したあおもりPGは、県産の他の製品・農産物との組み合わせなど多様な分野での展開を実現しています。青森県の地域活性化にも大きく貢献するこの成分、地方創生×ものづくりのひとつの形としてこれからも目が離せない存在といえそうです。

もっと知りたいあなたへ

あおもりPG推進協議会 https://www.aomori-pg.org/