2025.1.27

福島の縁起物をもっと楽しむ 〜アカベコランド〜

「赤べこ」は、福島県会津地方に伝わる郷土玩具、赤い牛の張り子人形です。この赤べこを、「見て・学んで・楽しむ」ために会津若松に2024年4月に開設されたのが、その名も「アカベコランド」。現代的でユニークなキャラクターを使い、訪れる人に赤べこを身近に感じ楽しんでもらえるよう、さまざまな取り組みをしています。

赤べこってどんなもの?

まず、その「赤べこ」について。その起源は400年以上前にさかのぼるとされ、諸説ありますが、1611年に会津地方を襲った大地震で、河沼郡柳津町も大被害を受けました。この大地震で圓蔵寺の虚空蔵堂も倒壊してしまいます。1617年に現在の場所である岩の上に再建されましたが、そのための木材を岩の上まで運ぶのには大変な苦労がありました。

その時に現れた赤毛の牛の群れが運搬を助けたため、虚空蔵堂が再建されたのでした。この牛を「赤べこ」と呼び、福を運ぶ「赤べこ」として多くの人に親しまれるようになったという伝説があります。

赤べこは、赤色が魔除けの力を持つとされ、病気や災厄を避ける子どものお守りとして広く浸透しました。また、首が揺れる仕掛けは、子どものおもちゃとしても人気があり、特に天然痘が流行していた時代には、赤べこが病気にかかっても重くならないようにと子どもに贈る風習があったそうです。赤べこは会津地方の家庭で大切にされ、今では福島県の象徴的な民芸品となっています。

「見て・学んで・楽しむ」

会津若松市、名所の会津さざえ堂の近くにある「アカベコランド」は、赤べこの魅力を存分に体感できる観光施設です。施設内には、職人による赤べこの制作工程を見学できるコーナーや、赤べこに絵付け体験ができるワークショップが用意されています。

職人の手作業で一つ一つ丁寧に作られる赤べこは、伝統工芸の素晴らしさ・温かみを目の前で感じることができますし、絵付け体験は自分だけのオリジナルの赤べこを手にするチャンスです!

歴史的な展示物や資料も充実しており、赤べこの文化的背景を深く理解することができます。また、ショップでは様々なサイズやデザインの赤べこが販売されており、記念に購入するのも楽しいですね。カラフルにペイントされた現代風の赤べこや、限定デザインの赤べこが人気!アカベコランド自体、キャラクターデザインなども若者向けにオシャレになっていて若い世代からも注目を集めています。

さらに、施設周辺には前述のさざえ堂や旧滝沢本陣、白虎隊士自刃の地などの名所も点在しており、桜の季節には満開の桜が咲き誇り、秋には紅葉が彩る中で、アカベコランドを訪れることができます。

ご当地土産や名産品も一緒に

「赤べこ絵付け体験」をもう少し詳しくお伝えしましょう。参加者は真っ白な張り子に自由に絵を描き、自分だけのオリジナル赤べこを作ることができます。伝統の赤はもちろん、参加者の個性で様々に色付けされた赤べこは斬新なものもたくさん!修学旅行生や地元の小学生の絵付け体験なども行っているようです。アカベコランド公式のインスタグラムにたくさんの作品が投稿されていますのでチェックしてみても参考になります。

さらに、会津をはじめとして福島各地の名産品をお土産として取り扱っています。「いぶりがっこ」や「いかにんじん」などのよく知られたものから、それをアレンジした変わり種まで面白いものに出会えるかもしれません。また、折々に地元の美味しいキッチンカーなども登場するとのこと、グルメも楽しめるのは嬉しいですね。

赤べこの歴史や文化を体験し、家族で楽しめる新しい観光スポット「アカベコランド」。会津若松を訪れたら、こちらにも足を運んでみてはどうでしょうか。

もっと知りたいあなたへ

アカベコランド https://akabekoland.com/